本研究は、『徒然草』を教材とし、その教訓に着目させ児童生徒を古典に親しませる授業について研究するものである。古典の「教訓」(教え・知恵)とは、古典に表れた人間の生き方や考え方そのものであり、児童生徒は、古典に対する「ものの見方・考え方」を働かせてとらえることができるという前提をもって研究に取り組んだ。 今年度は、昨年度に引き続き、それぞれの古典教材に対する「ものの見方・考え方」や古典で述べられている教訓について、分析を試みた。その上で、〈研究協力者による授業実践、および教材に関する研究討議〉として、各研究協力者(髙橋和寛教諭、宮内征人教諭、長澤元子教諭)が児童生徒を対象にした授業の開発を考究した上で、実際に授業を行い(髙橋教諭、宮内教諭)、実施後に研究討議を重ねた(髙橋教諭、宮内教諭、長澤教諭、戸川貴之教諭、加藤孝志教諭)。 ◎授業観察①札幌市立札苗中学校(令和3年12月9日、髙橋和寛教諭)においては、『徒然草』「仁和寺にある法師」の章段について「見方・考え方」にもとづく授業観察、研究に関する検証・意見交換を行った。②帯広北高等学校(令和2年12月、戸川貴之教諭)においては、授業観察および研究協議を行った。オンライン遠隔会議システム(Zoom)を用いて、「見方・考え方」を働かせて『徒然草』「奥山に猫またといふものありて」の授業を2クラス×3回授業観察を行った。第1回は『徒然草』及び当該章段についての協働的学習、第1回は当該章段の意味を読み取らせる授業、第3回はオンラインアプリQuizletを使って現代語訳の定着を図らせる授業について検証・考察した。 ◎打ち合わせ・研究協議(北海道教育大学札幌駅前サテライト)令和3年4月24日、6月12日、7月11日、9月18日、11月14日、12月18日、令和4年1月22日、2月20日 8回実施することができた。
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