| 研究課題/領域番号 |
19K02832
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| 研究機関 | 茨城大学 |
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研究代表者 |
村山 朝子 茨城大学, 教育学部, 教授 (40375358)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 地図活用力 / 地図作品 / 地域学習 / 地図作品展 / 地域かるた |
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| 研究実績の概要 |
・本研究は、茨城県内の小中学生による地図作品を主たる研究対象として、地図活用力の発達プロセスを明らかにした上で、その育成カリキュラムを体系化し学習指導の支援体制の構築を目指すものである。本年度の研究実績は以下の通りである。
・「地域かるたと地図の活用」の活動を実施した。7月笠間市副読本改訂会議でかるたと地図の活用について報告した。作成したかるた及び活動のための資料一式を市に寄贈し、12月には市内の小学校で郷土学習の一環として活用された。また日本地理教育学会でかるたと地図を併用した地域学普及習の効果について発表した。
・小中学生の地図作品を分析した。その結果、自らテーマを設定し、野外調査を含む調査活動を行い、その成果を地図に表現し考察を深めていく、その過程が深い学びに繋がるとともに、成果物である地図作品が有用な地域学習教材となることが明らかになった。この成果は日本地図学会で発表した。また夏休みの課題として中学生による地図作品50点に講評を付け、教員の指導を支援した。
・地図活用力の発達プロセスを捉えるために、地図作品づくりを継続的に行ってきた小学校の教員と児童に聞き取りを行うとともに、児童らの第3学年から第6学年までの4年間の地図作品を分析した。低学年から地図に親しみ、フィールドワークを伴う絵地図から平面地図作品への緩やか移行を図ること、さらに聞き取りや文献調査を組み合わせていくことにより地図活用力とともに地域考察力が深まることがわかった。また、継続的な教師による支援や保護者の協力が大きく関わることも明らかになった。
・地図作品展を開催した。地図づくりの有用性への理解と教員の指導支援や啓発のため、入賞作品紹介動画と作品展報告冊子を作成した。全展示作品を掲載し、入賞作品には講評と作者による紹介文を付けた。また国土地理院関東地方測量部とともに地図作品づくりの指導・支援の手引きを作成した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による国の緊急事態宣言や茨城県独自の非常事態宣言が長く続いたため、計画通りに行かない面があった。
地図作品展は開催できたが、学校関係者の来訪による直接地図作品を目にする機会は限られた。それを補うものとして作品紹介動画や報告冊子作成をおこなった。
地域かるたと地図を併用した地域学習については、笠間市内での活用が始まり、一定の成果を得ることができた。ただし、地域かるたを有する他市町村での実践や応用はできなかった。
今年度も各地の地図展視察や聞き取り調査が実施できなかった。学校への出入りが制限されたためで、地図作品作成過程の調査や支援もできなかった。また予定していた地図作品分析については小学生の作品が少なく（コロナ禍の影響と思われる）、十分な成果をあげることができなかった。このため地図活用力の育成カリキュラム案作成まで至らなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
まず令和3年度に作成した地図作成の手引きを含む地図展報告書を発行し、県内の学校関係者に配布する。寄せられた意見等を踏まえ修正を加えながら、普及版を年度内に冊子を発行するとともにウェブ公開する。
地図作品の分析、地図作成児童生徒や支援する教員への聞き取りを継続して行う。また令和2・3年度に実施できなかった各地の地図展を視察し聞き取り調査などを行う。これらを踏まえ、地図活用力の育成カリキュラム、支援のしくみをつくる。
本研究の最終年度として、研究成果を公開し、本研究の目的に到達することを目指す。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大による国の緊急事態宣言や茨城県独自の非常事態宣言が長く続いたため、活動が制限され、予定した予算の多くが未使用となった。
具体的には、各地の地図展視察や学校訪問による調査や支援、啓発活動ができず、それに予定していた旅費の使用がなかった。また地図作品データ、とくに小学生の作品が集まらず、量的分析は行えなかったため、それに予定していた人件費の使用はなかった。地図展の表彰式に合わせ研究成果の一部公開としてシンポジウムを予定したが、表彰式取り止めによりシンポジウムも取り止め、それにかかる人件費等の使用がなかった。地図作成の手引きを含む地図作品展報告書の発行が年度内にできず、その経費使用がなかった。
次年度はこれらの計画を着実に実施するとともに、これまでの研究成果の公開を行う。これらの実施に必要な人件費、旅費、その他に未使用額を充てる。
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