研究課題/領域番号 |
19K02833
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
佐見 由紀子 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (40725868)
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研究分担者 |
植田 誠治 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (90193804)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生活習慣病 / 改善意欲 / 改善自信 / 保健授業 / 中学生 |
研究実績の概要 |
生活習慣病は日本人の死因の上位を占めており、子どものころからの生活習慣の確立と改善が重要であるとされている。しかし、中でも自立し始め、かつ生活が忙しくなる中学生期では、これまでの保健授業の実践研究結果から、生活習慣の改善意欲やその自信をもつことが難しいことが示されている。 そこで、本研究では、中学生を対象に、生活習慣改善意欲と自信を高める授業を開発し、実践し、その効果を検証することを目的とした。 しかし、2019年度から2020年度までコロナウイルス感染症拡大のため、研究者が授業実践することが困難であった。そのため、2020年度には、大学院生の教職専門実習において中学1年生対象の生活習慣改善の保健授業を実施した1件と、K市教育センターの研究授業において、中学1年生と2年生に実施した健康教育各1件、計3件の授業作成に関わり、授業観察することで、改善意欲とその自信を高める要素について検討した。 その結果、①生徒が自身の生活習慣における現状と問題点を視覚的に把握できる教材の開発、②生活習慣改善のための多様な視点や方法を具体的に示すことのできる学習内容・教材の開発の2つが重要な要素であることがわかった。 これまでの保健授業・教材開発において、①の要素についてはいくつかの実践事例があるものの、②の要素についての実践例についてこれまでほとんど見ることができないため、今後は、①はもちろん、②の学習内容・教材開発に力点を置き、授業内容の見直し・修正を行い、授業実践を行うようにする必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度3月に中学2年生を対象にした生活習慣病予防の授業実践をする予定であったが、コロナウイルス感染症拡大のため、休校となり実践できなかった。2020年度もさらに感染症拡大のため、授業は実施されていたものの、学外者である研究者が出向いての授業実践は認められなかった。そのため、授業内容の分析はできたが、実践してその効果を検討するところまでは至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、授業開発、実践に関わることのできた授業を参観することで授業内容を検討することができたため、そこで得られた生活習慣改善意欲とその自信を高める要素を盛り込んだ授業内容開発を行う。さらに、学外者による授業実践が困難な場合、対象となる中学校に勤務する教員に、開発した授業内容を実践してもらえるよう交渉し、実践の効果を検討したい。しかし、感染症のさらなる拡大から、休校等などの措置がとられ、授業実践が難しい場合は、授業実践が可能になった際に、授業の効果を正しく評価できるよう、生活習慣改善意欲と自信を高める尺度作成に取り組むこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症拡大のため、学術学会が中止され旅費の支出が0となった。また、授業実践ができなかったことから、データ入力補助の人件費の支出も0となった。今後は、授業実践が可能になった場合も授業実践が困難になった場合の尺度作成の場合も、アンケートや教材作成のための紙、印刷代や、データ入力補助の人件費、実践結果についての学会発表のための旅費の支出にあてる。
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