研究課題/領域番号 |
19K02845
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
鈴木 哲也 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (50566750)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学校飼育動物 / 戦後 / 学習指導要領 |
研究実績の概要 |
1 大学の紀要論文である「戦後における学校飼育動物の教育的利用に関する研究(1)-生活科が誕生する以前の学習指導要領の理科に関する記述に注目してー」を執筆を行なった。戦後間もない頃の理科における学校飼育動物の利用可能性から生活科が誕生するまでの理科における学校飼育動物の利用可能性を学習指導要領を用い、時系列的にまとめたものである。なお論文にはしていないが、生活科誕生後の生活科と理科の学習指導要領の部分についても分析済みである。ほぼ一貫して小学校では飼育している動物を利用する可能性があったことがわかった。 2 一般的な飼育動物であるペットの問題の判例を分析・把握した。そのうえで、学校飼育動物の倫理的対応と法的対応の区別の問題を民法をベースとしつつ、動物の愛護及び管理に関する法律や特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律を中心に内容を把握すると同時に分析をおこなった。特に「もの」と「生物」の扱いの違いに注目して分析し、愛護動物や特定外来生物への法的対応や、愛護動物や特定外来生物ではないが、倫理的にはそれらのように扱うべき動物を小学校では扱っているいる可能性があること等が明らかになった。これらの分析結果をもとに論文に執筆中である。 3 理科教科書をデーターベース・コーパス化し、教科書中に出現する動物名とそれらが関係する内容についての相関が分かるような分析に着手中であり、これにより、理科教科書中の動物利用と内容のつながりがより明確になる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦後の学校飼育動物の歴史において、主に学習指導要領を用いて、生活科誕生までの経緯を、紀要論文としてまとめた。 あわせて、学校飼育動物に関する法的・倫理的問題を検討し、現在学校飼育動物の倫理と法律の問題を具体的に検討し、論文を作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
戦後の学校飼育動物の学習指導要領以外の資料の分析が、コロナ感染予防のためできていないため、今年度後半からすすめていきたい。 あわせて、学校飼育動物に関する倫理的・法的課題について引き続き分析を続けるとともに成果を学会発表や論文として公表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナによる出張自粛のため資料調査に行けず、また学会もオンラインとなってしまったため。
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