研究課題/領域番号 |
19K02850
|
研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
沼田 千賀子 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (80582808)
|
研究分担者 |
横山 郁子 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00230657)
河内 正二 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (30549308)
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
樋野 興夫 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (90127910)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | がん教育 / 学校薬剤師 / 外部講師 |
研究実績の概要 |
がん教育を実践できる学校薬剤師の養成を目指し、学校薬剤師(5名:延べ数)と一緒にがん教育の授業を行った。 がん教育の授業は、9月16日「子供のがん」をテーマに、神戸大学附属中等教育学校高校1年生(125名)へ行った。チャイルド・ケモ・ハウスクリニックの楠木重範氏のお話の後、各クラスでスモールグループディスカッション(以下、SGD)を行った。その際、学校薬剤師の先生方(2名)にもSGDのサポートをしていただいた。 次に神戸大学附属中等教育学校中学1年生へ3日間行った。1日目(11/17)は、「がんに対する正しい知識」の講義を行い、その後SGDを実施した。生徒は、119名、指導薬剤師は1名参加し、SGDのサポートを行った。2日目(11/20)は、NPO法人がんノート代表岸田徹氏による「AYA世代のがんについて」の講義を聞いた後、SGDを行った。生徒は、119名、指導薬剤師は1名参加し、SGDのサポートを行った。3日目(11/24)は、葉っぱのフレディの絵本を朗読後、「いのちの授業」と題してワーク及びSGDを取り入れた授業を行った。生徒は、117名参加し、指導薬剤師1名がSGD のサポートを行った。 授業前と3 日間の授業後にアンケートを行い、授業前後でのがんに対する知識の変化及び死生観について調査し、現在解析中である。 また学校薬剤師の参加はなかったが、今後の授業企画として、高校1年生129名を対象に「がんになった時のお金の話」を一般社団法人がんライフアドバイザー協会代表 川崎由華氏にしていただいた(1月25日)。がんという病気を医療や治療という視点だけでなく、社会的、経済的な問題としても捉えることができるようになったことは、がん教育の大きな効果である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、コロナ禍の影響で9月までがん教育の授業を実施することが出来なかった。がん教育実施校において、外部関係者の入講が厳しく制限され、学校薬剤師も多人数参加することが出来なかった。 また授業時間も短縮となり、特にSGDに関しては、感染拡大防止のため短時間での実施が求められた。 以上の状況により、学校薬剤師の先生方に十分授業に参加し実践ていただく時間が確保出来なかったため、連携したがん教育のシステム構築を進めることが出来なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
文部科学省の調査によると平成30年度にがん教育を実施した学校の割合は61.9%(23,023校)であった。実施できなかった理由の中で、外部講師の確保が困難であったことが挙げられている。 1年目(昨年度)学校薬剤師の方は、がん教育の実施状況を見学し、授業の企画・立案に参加していただいたが、今年度は実際に授業でのSGDに入って指導・サポートを頂いた。このように少しずつ教育・指導スキルをアップし、今後は学校薬剤が担当校で授業が出来るようになれば、講師不足が解消できると考えられる。 そのため来年度は、学校薬剤師の方が、がん教育の講義やグループワークに参加ができる機会を増やし、実践力を養うことを主眼にして進めて行く。
|
次年度使用額が生じた理由 |
【理由】コロナ禍の影響でエントリーしていた学会が中止となったため、旅費等の支出がほとんど無くなった。また感染拡大防止の観点から、学校薬剤師の授業への参加が難しくなり、謝金等の支出も減った。 【使用計画】今後の新型コロナ感染拡大の状況によるが、来年度は感染防止対策を徹底しながら、出来るだけ学校薬剤師参加のがん教育授業を実施して行く。またアンケート調査等の結果をまとめ、積極的に学会発表を行い、情報を発信して行く。
|