価値工学・発明的問題解決手法による理工系分野横断的研究支援に関する研究

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K02861
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 西山 聖久 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60751823)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 価値工学 / 発明的問題解決手法 / 研究支援

研究実績の概要

本研究の目的は、価値工学（VE）、発明的問題解決手法（TRIZ）を発展的に応用し、理工系の分野尾を横断した研究支援の手法を開発することである。本年度は、本研究を通じて提案することを目指す、分野横断的に応用可能な研究概要のテンプレートを改善するとともに、インストラクションを作成しその効果を検証した。昨年度に引き続き、特に論文執筆において困難に直面する個別指導を通じてテンプレートの有効性を考察することができた。これを通じて、これまでに複雑な説明を要したテンプレートを簡略化し、より汎用性の高いものとした。また、本研究の目指す研究支援は、研究において障壁となる言葉の壁を越える手段を提案することにもある。そこで、手法を実践する対象を日本人学生だけでなく英語を主たるコミュニケーション手段とする留学生にも拡大することため、新たな資料の開発とその英文化を行なった。これらの成果の一部は近日出版される書籍によって紹介されるほか、具体的な研究成果は2021年度に開催される国際会議において発表する予定である。これまでは、論文の書き方など、研究発表の支援に特化した内容であったが、以降は、本年度完成した資料を活用し、問題の設定やそこを起点とした問題設定を中心とした研究テーマの見つけ方や研究に行き詰まったときの対応を充実させる。また、本年度より、研究代表者はウズベキスタンのタシケント工科大学に赴任することとなり、現地の教職員の支援により本研究により開発した資料をウズベク語に翻訳することができた。本研究の成果が、言語の壁を越える上でも有効であることを示していく予定である。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究自体は概ね順調に進展していると考えているが、コロナ禍により、計画段階に企画していた多人数を対象としたワークショップを開催することによる手法の効果の検証を計画していたが、コロナ禍の影響により積極的に大きな行うことができなかった。また、同様の理由により、国際会議などにおいての発表もできていない。しかし、2021年度以降は、少なくともオンラインによる国際会議の開催は行われると思われるため、計画通り積極的に参加し、成果の発表ををこなう。

今後の研究の推進方策

本年度より、研究代表者はウズベキスタンのタシケント工科大学に赴任することとなった。オンラインによる研究指導を継続することが可能となったの同時に、タシケント工科大学の学生や教職員を対象として本研究を推進することが可能となった。そもそも、本研究のメインは様々な事情により研究に行き詰まってしまった学生の支援を提案することであったが、これに加え、タシケント工科大学による産学連携など、本研究の成果を検証する大きな舞台に恵まれたと言える。また、タシケント国か大学の学生のほとんどは、現地のウズベク語を持ちるため、言葉の壁がさらに深刻な問題にある。そこで、これらの環境を以下し、そこで、従来の計画に加え、言語の壁を越える手段の開発という本研究の側面にも着目して研究を推進していく。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、予定していた学会発表が翌年度に延期されたことによる。