本研究は、広く産業界で活用されている経営管理手法・創造性思考手法であるVE(価値工学)・TRIZ(発明的問題解決手法)を用いた理工系学生の研究支援を確立することである。本年度の主な活動は、コロナ禍を通じて開発したオンラインによるワークショップのノウハウを駆使しながら積極的に実施したオンラインセミナーを通じて、これまでの研究活動を通じて作成した教材を活用したセミナーを実施し、その効果の検証をおこなったことである。オンラインで開催されたワークショップには50名を超える教員・学生多数が参加し、特に、研究テーマ設定の手順に関しては、高い評価を得ることができた。また、手法手順のなかで、分かりにくい部分など改善につながる有意義なフィードバックを多数得ることもできた。これらの意見を反映し、本研究を通じて考案した手順をさらに洗練させるとともに、イラストを用いた資料などを作成し、誰にでもより分かりやすい資料に改善した。一方、現在、海外(ウズベキスタン)に赴任しているという立場を生かし、言語を超えた研究指導といった視点からの本研究支援の有効性も検証し、英語などの言語能力の低さを、本手法を用いることにより、補う可能性を見出した。本研究を通じて、理工系学生の研究支援の手法はほぼ完成したと考えており、ワークショップテキストの最終バージョンなどを作成した。本内容は、近い将来において、日本語、ウズベク語双方による書籍として出版する予定である。
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