研究課題/領域番号 |
19K02863
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
正楽 藍 神戸大学, 国際人間科学部, 講師 (40467676)
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研究分担者 |
杉野 竜美 神戸医療未来大学, 人間社会学部, 教授 (40626470)
嶋内 佐絵 東京都立大学, 国際センター, 准教授 (80727107)
小林 元気 神戸大学, 国際協力研究科, 部局研究員 (10878143)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大学の国際化 / グローバル社会 / リベラルアーツ |
研究実績の概要 |
教育活動の行為者である教職員が「グローバル社会と学生たちの獲得する力」をどのように意味づけているかを探索することにより、教職員の捉えるグローバル社会で求められる力の現実を明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために以下の課題を設定した。(1)留学必須のプログラムをもつ学部の方針は「グローバル社会で求められる力」としてどのような能力を重視しているか、(2)教育活動の行為者である教職員はそれらの能力が生かされる社会的空間をどのように捉えているか、(3)教職員は、それらの能力をどのように意味づけているか。 グローバル化の進行に伴って、知識基盤型の職業が増加するなかで、リベラルアーツ教育の重要性は高まっていることに鑑みて、2022年度は引き続き、国内の四年制以上の大学のうち、在学中の海外留学を卒業の必須要件とし、かつ一学期間以上の留学プログラムをもつ11の国際教養系学部のディプロマ・ポリシー(DP)のテキスト分析、及び11学部のうち7学部の教職員を対象としたインタビュー調査の内容分析を行った。 分析の結果、DPに見たグローバル社会で求められる力は、「知識」「異文化理解」「コミュニケーション」「協働」に関する力を身につけた上で、問題の解決に取り組む意志や能力であるということが分かった。教職員が考えるグローバル社会とは、「地球規模」「世界」という一元的なものではなく、「大学」「地域」「日本」「海外」に広がる重層的な空間である。そして、彼らは、「グローバル社会で求められる力」に対して、海外や世界で活かせる力というように、地球規模であることをことさらに意識するのではなく、ローカルやナショナル、グローバルという水準の枠を超えて活かせる力であると捉えていることも判明した。
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