本研究は、大学におけるカリキュラムの構造評価を目的として、シラバスの内容に統計的自然言語処理とネットワーク分析手法を適用することで、定量的な評価指標を開発することを目指したものである。研究計画に掲げた①~⑤の項目について、それぞれの進捗を報告する。 まず、①のトピックモデリングの適用および評価については、最適なトピックモデルの探索が進行中であり、研究期間内に発表するには至らなかったが、現在も引き続き取り組んでいる。次に、②の科目間の関連性指標の開発と③のネットワーク分析を用いた科目の重要度指標の開発は、シラバスとアンケートを用いて達成し、2023年度にこれらに関連する論文がアクセプトされた。 一方、④のカリキュラム評価のためのシラバス可視化システムの開発については、プロトタイプを作成した。このプロトタイプにより、可視化の手法が具体化され、今後の改良が期待される段階に進展している。最後に、⑤の事例データベースの作成と指標の改良については、研究期間内に発表するには至らなかったが、現在も改良作業を継続しており、将来的には学会等での報告を目指している。 全体として、研究期間内に構想の約8割を達成することができた。特に、科目間の関連性指標とネットワーク分析の指標開発については、論文のアクセプトという形で具体的な成果を挙げることができた。また、シラバス可視化システムのプロトタイプ作成により、実用化への重要な一歩を踏み出すことができた。未達成の項目についても、今後の研究で引き続き取り組み、さらなる成果を目指していく。
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