研究課題/領域番号 |
19K02872
|
研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝久 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90364299)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 国際バカロレア / ディプロマプログラム / アドバンスドプレイスメントテスト / 大学入学前プログラム / 高大接続 |
研究実績の概要 |
本研究では、米国のハイスクールでの大学入学前教育プログラムとして導入されている国際バカロレア・ディプロマプログラムとアドバンスド・プレイスメントテスト・プログラムの比較をとおして、これらのプログラムが固有の地域社会でどのような教育的役割を担い運用されているのかを実態を通して明らかにして いく。 研究計画では、①大学入学前プログラムの内容と運用、教育的・社会的影響、②プログラムの運用実態、③プログラムの運用に関わる社会的背景と学校・教育課程への影響、そして④プログラムの持つ社会的・教育的ポテンシャル、の四つの局面を視野に入れ、実態を明らかにしつつ課題を見出していく。 2021年度では、2020、2019年度に引き続き、調査を実施する現地(ピッツバーグ市周辺)で学校調査を行うための下準備を行った。具体的には、基礎資料・文献の収集・整理とデータベース化の他、現地での聞き取り・アンケート調査のためのRQ作成とそれに基づく設問構成、プロセスの構成を進めてきた。 本来ならば2019年度に現地調査のための下準備(現地での予備調査と本調査に向けた段取り)を終え、2020年度時点で現地ハイスクール・大学での聞き取り・アンケート調査が実施されているはずであった。しかし、コロナ禍によって両年ともに渡米することができず、調査を行うことが全くできなかった。実地調査が何もできずに最終年度を迎えることになってしまったが、追い打ちをかけるように当初調査を予定していたハイスクールのうち社会階層の低い学区の学校は、人種構成に偏りのある地域に所在し治安も悪く、昨今の社会事情では調査の実施に危険が伴う状況になってしまった。また、中間層の学区で予定していた学校も同様のコミュニティーを背景にしているので、情報を収集しつつ検討して行く必要が生じている。現地の研究協力者と意見交換を重ねつつ準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 コロナ禍によって、予定されていた現地での研究交流とハイスクール・大学での聞き取り・アンケート調査が行えないため。そもそも、研究初年次の3月に予定されていた下準備・予備調査の渡米からキャンセルされてしまったので、現地での調査については何も進められず、見通しも得られない状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
国内外の資料・文献調査は継続実施し、データベースも充実させていく。引き続き現地での調査協力者との連携を密にし、現地での状況を考慮しつつ、出来れば今年度中に渡米して実地調査ができるようにしたい。 当初予定していた計画は縮小し、科目を絞った議論に焦点化する方向でも検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度・2020年度・2021年度の各々にて予定されていた米国での現地調査が、コロナ禍によって実施できなかったことにより次年度使用額が生じている。現地の状況が平常化し、日本での帰国時の制約が緩和され次第現地入りし、予備調査・本調査を実施する予定で準備している。
|