研究課題/領域番号 |
19K02873
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
菅澤 貴之 熊本大学, 大学教育統括管理運営機構, 准教授 (30551999)
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研究分担者 |
三須 敏幸 広島大学, グローバルキャリアデザインセンター, 教授 (00392241)
桑畑 洋一郎 山口大学, 人文学部, 准教授 (50532686)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高等教育 / キャリア形成 / 博士人材 / ポスドク問題 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高度な専門知識にくわえて柔軟な思考力をもつ「知のプロフェッショナル」として社会から期待が高まっている大学院博士課程修了者のキャリア形成の実態について、調査票調査にもとづく計量分析とインタビュー調査を組み合わせた実証分析によって包括的に考察することにある。 研究期間3年目である2021年度は、計量分析に用いる調査票調査データの収集を中心に据え研究活動を進めた。当初は独自のインターネット調査(webアンケート調査)の実施を目指していたが、研究代表者が参加している東京大学社会科学研究所(東大社研)パネル調査プロジェクト:セカンドチャンス研究会が企画したインターネット調査「これまでの人生経験に関する調査」に学歴項目の精緻化を提案したところ、提案内容が採用された。そこで、研究計画を見直し、独自のインターネット調査の実施は中断することにした。 「これまでの人生経験に関する調査」は、東大社研パネルの本体調査である「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(Japanese Life Course Panel Survey:JLPS)」と同様に、出身階層、学校歴、職業に関する情報が豊富であり、大学院修士課程修了者と博士課程修了者を区別して分析可能な他に類を見ない調査データとなった。現在はデータクリーニング作業を行っている最中であるが、計量分析に耐えうるケース数が得られていることを確認できている。 2022年度は研究期間の最終年度となる。「これまでの人生経験に関する調査」の分析を中心に研究活動を推進し、成果の発信、取りまとめに着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
定量的データは、セカンドチャンス研究会が企画・実施したインターネット調査に質問項目が採用されたため、情報量が豊富な個票データを収集することができた。しかしながら、定性的データは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、インタビュー調査の日程調整等に思いのほか時間を要したため、2021年度中の実施を断念した。このような進捗状況を総合的に判断し、全体的に本研究は「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の前半期は2021年度に実施された「これまでの人生経験に関する調査」の分析に取り組むとともに、追加的なインターネット調査およびインタビュー調査を実施する。研究期間の最終年度となるため、後半期は学会報告の実施と論文執筆など研究成果の公表につとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.次年度使用額が生じた理由 セカンドチャンス研究会が企画・実施したインターネット調査(「これまでの人生経験に関する調査」)に提案した質問項目が採用されたため、調査費用の支出を大幅に抑制することができた。このため、調査関連予算に余剰が生じ、助成金の繰り越しが発生した。 2.使用計画 未使用の予算(繰越金)は、主として、2022年度に実施予定である追加的なインターネット調査の委託費とインタビュー調査および学会報告の旅費に充当する。
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