研究課題/領域番号 |
19K02875
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松崎 真日 福岡大学, 人文学部, 教授 (30709621)
|
研究分担者 |
磯野 英治 名古屋商科大学, 国際学部, 准教授 (50720083)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 韓国語専攻 / 日本語専攻 / キャリア教育 / 視聴覚教材 / インタビュー / キャリア形成 / 韓国語教育 / 日本語教育 |
研究実績の概要 |
研究3年目の令和3年度は、二つの軸で研究を進めた。 一つ目は、研究2年目に検討を行った韓国語および日本語を専攻する学生向けのキャリア教育用ビデオ教材の枠組みに対する研究を論文化したことである。韓国日語教育学会の学術誌『日本語教育研究』(査読付き)に投稿し、第56輯に掲載された(2021年5月)。 二つ目は、研究1年目に実施した調査(日本では韓国語を専攻する大学生を対象に、韓国では日本語を専攻する大学生を対象実施したアンケート調査)と、研究2年目に行った調査結果を踏まえた映像教材の理論的検討を行い、映像教材のシナリオを作成したことである。シナリオの作成は映像教材の骨格といえるものであることから、この検討と作業に多くの時間を費やし完成度を高めた。また、シナリオの一部については韓国日本語教育学会第40回国際学術大会(2021年12月、オンライン開催)において口頭発表し、貴重なフィードバックをえることができた。年度の後半ではシナリオの完成度を高める作業を進めた。また並行してビデオ教材中に挿入予定のインタビュー対象者の選定作業を日韓両国で進め、対象者に趣旨を説明し出演の承諾を得るなど、ビデオ映像撮影のための準備作業を行った。 なお当初、2022年の2~3月にビデオ教材の撮影を実施する予定であったが、コロナ感染症の影響が続き、韓国への渡航が不可能であったこと、国内であっても対面でのインタビュー実施に支障があったため、インタビューの実施を2022年5~7月に延期する判断を行い、研究期間の1年間の延長を申請した。 総括するならば、令和3年度は、教材の骨格といえるシナリオの作成に力を入れ、学会発表を行った。また、令和2年度の研究結果を査読付き論文として発表することができた。研究者自身がコントロールできる範囲においてはおおむね順調に研究を進めることができたと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症の影響により、海外での調査と撮影が実施できなかったこと、また国内での対面によるインタビュー撮影にも支障が生じたため1年間の研究期間延長を行った。この点で研究計画の遅れが認められる。なお、コロナ感染症は研究計画を立てた際には予期しえなかったことである。 コロナ感染症の要素を除けば、おおむね順調であり、2022年5月現在、コロナの状況下において遂行できるよう研究計画に柔軟性をもたせた上で、研究を進めている。2022年度も学会発表を行うとともに、学術誌に論文を発表する計画で研究活動を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年前半に、延期していたビデオ教材の撮影を実施する予定である。 撮影した映像については、公開する予定であり、そのための作業を行う。 また、本映像教材の狙いと実際について学会発表および論文執筆を行う計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症拡大の影響により、当初計画の海外学会での発表がオンライン化したことにより出張費用が発生しなかった。また、韓国の大学に勤務する研究協力者を交えた打ち合わせを福岡および名古屋で開催予定であったが、これもオンラインで実施したことから、やはり出張費を使用しなかった。また、視聴覚用教材制作のために、撮影業者との事前打ち合わせを東京で行う予定であったが、コロナの影響により撮影スケジュールを見直したためそのための出張費も使用しなかった。 次年度は、年度前半にビデオ撮影を福岡および東京で複数回実施の予定である。そのため、ビデオ教材撮影費、編集制作費、出張費の支出予定がある。前年度に比べ支出額が増加するが、当初の計画通りであり、問題はない。 また学会発表および論文投稿を計画しており、学会参加費や掲載費、審査料などの支出が見込まれている。 研究費は計画的に使用していく。
|