研究課題/領域番号 |
19K02876
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研究機関 | 育英短期大学 |
研究代表者 |
大佐古 紀雄 育英短期大学, その他部局等, 教授(移行) (10350373)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幼稚園教諭 / 教員養成 / 質保証 |
研究実績の概要 |
NAYEC(全米幼児教育協会)では、高等教育機関における幼稚園教員養成課程に対して有していた”recognition”と” accreditation”の2つのプログラムのうち、教員養成アクレディテーション協議会(CAEP)が行うSPAプログラムレビューの一環として行ってきた前者について、2020年に離脱した。同年には、幼児教育者の専門職基準として定めた”2010 NAEYC Professional Preparation Standards”を、”Professional Standards and Competencies”として改めた。また、幼児教育者の労働力断片化を問題提起した全米医学アカデミーの報告書がきっかけとなり、幼児教育者のキャリアパスで求められる知識、能力、資格、基準、説明責任の枠組みを確立し、幼児教育者の専門性を定義するために設立されたPower to the Professionによる、全米の幼児教育関連15団体が共同で作成に当たった” Unifying Framework for the Early Childhood Profession”が刊行された。さらにNAYECは、” accreditation”の仕組みの基盤となる基準の改定にも着手し、従来の2010年版から2021年版に移行する作業も行われた。 CAEPによるSPAプログラムレビューからのNAYECの離脱には、幼児教育者養成のもつ、他の教員養成とは異なる特殊性が根底にあるとの仮説を持っている。それを探る上で、” accreditation”の新旧の違いや、”recognition”との違いを、整理する必要がある。特に、幼児教育者養成の価値付けをもっとも反映しているのが、評価基準と、評価プロセスと考える。現地調査を織り交ぜながら、この深掘りをすすめることを、最終年度の課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
一昨年来の新型コロナウイルスの世界的な蔓延のため、書面調査は継続したものの現地調査がひきつづき実施できない状態にあり、進展もきわめて限定的なものである。本務校での学事もコロナの影響によるイレギュラーな対応による負担が通常より大きく、研究進行の支障になっている状態も、令和3年度もかわらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき新型コロナウイルスの日米両国の感染状況の推移を見ながら方策を検討する。研究期間の延長の手続きを取ったが、今後のことを考えたときに、これ以上の研究期間延長はできるだけ避けたいため、現地調査を行う方向を模索しつつ、現地調査に代わる方法(オンラインでのヒアリングなど)も模索する。ただし、場合によっては研究最終年度をさらに延長することも選択肢として残しておきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、令和2年度から3年度に実施を延期した米国現地調査が進められず、また、学会は本年度もオンライン学会で実施されたため、旅費の支出がなされなかった。同様の理由で、現地調査でのコミュニケーションサポートのための人件費も支出がなされなかった。書面調査は行ったが、先の見通しが立たない状況のなかで受け入れた補助金を有効に使用する観点から、今後の展開を考慮して基本的には受け入れた補助金には手をつけない方針で令和3年度も対応を行った。令和4年度は、米国現地調査が可能となれば、しかるべき旅費と人件費を中心に使用する計画であるが、状況次第では、使用計画の変更や研究期間の延長も視野に入れている。
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