研究課題/領域番号 |
19K02881
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
明谷 早映子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (90820598)
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研究分担者 |
岡 明 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00251273)
伊藤 伸 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90520883)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 利益相反管理 / 産学連携 / 大学ガバナンス体制 / 意思決定バイアス / 利益相反リスク |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学が産学連携により経済的利益を得る状況において、組織と個人の利益相反マネジメントの基本的な理論を構築し、大学ガバナンス体制構築の基盤となる研究を行うことである。組織と個人の利益相反に対処するには、組織や意思決定権者が、判断を歪める要因となるバイアスを認識し、利益相反が発生する構造を的確に把握したうえで、利益相反を適切かつ適度にマネジメントすることが重要である。 本年度は、主に申請者が利益相反委員会事務局として扱う課題に関して、各課題において医学系研究への企業の関与と、研究課題の類型(予防、診断、治療等)等の詳細な分析を通じて、産学連携と課題の類型との関係性や利益相反管理上の特徴を考察した。米国大学における現地調査では、利益相反マネジメントにかかる部署間連携や実務フロー、組織ガバナンスとしての利益相反マネジメントについて、具体的事例のハンドリングを通じた知見を得た。この知見をベースに、米国の研究開発投資額上位大学について、組織と個人の利益相反ポリシーを詳細に分析し、組織と個人の利益相反が発生する構造を明らかにした。また、利益相反が存在することによる意思決定バイアスと、そこから生じる波及効果・リスクを、教育・研究機関としての大学の具体的な業務との関係で可視化し、具体的な対象に対して効果的な利益相反マネジメントを実現するための手法を提示した。 これらの研究成果は、学会で発表し、論文としても投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者の実務経験から生じた問題意識と米国大学に関する文献調査で得た知見に基づき、米国大学における現地調査や実務者との議論を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、米国大学の組織構造・機能の実態調査を進め、国内大学の実態にあわせて組織構造・機能の最適化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19対応で調査の予定が延期となったため。 国内移動制限や海外への渡航制限が解除され次第、順次、調査研究を実施する。
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