研究実績の概要 |
本研究の目的である大学評価における<学生エンゲージメント>評価指標を明らかにすることを目指し、自己点検・評価報告書を学生局(Office for Students, OfS)のWebサイト内の「教育卓越性および学生の学習成果枠組み(Teaching Excellence and Student Outcomes Framework (TEF) )」情報ページから収集し、英国の各高等教育機関が自ら記した教育評価を含む大学評価に関する自己点検・評価報告書で用いられている用語の傾向把握、出現頻度分析、共起分析、グループ化を行い、キーワードを抽出し、それらのキーワードに基づき、評価活動における<学生エンゲージメント>の位置づけ、高等教育機関による改善活動の分析を行うために大学名、章、節毎の情報を付加し、一文一行となるような加工の準備を進めた。対象となる約280大学のデータを外注したテキストデータ加工処理プログラムにかけて整形しAntConc、KH Coderといったテキストマイニングソフトで処理し、語彙の頻度、共起状況についての分析を行った。その結果、総語数約233万語、異なり語数約3.6万語のデータとなり、今回の分析対象であるstudent(s)は49,166回、engagementは2,669回登場し、両者が共起しているstudent engagementは937例検出された。このstudent engagementを複合語スコアで見た場合は、student experience, academic staff, student feedback, academic supportに次ぐ5位に位置することも明らかになった。また、コロナ禍が落ち着いてきたため英国出張を行いCambridge Assessmentスタッフとの意見交換を行い、そこで得たstudent engagementの質的分析に関する知見も加味して分析を行った。
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