研究課題/領域番号 |
19K02890
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大学入試 / CBT / 総合問題 |
研究実績の概要 |
本研究は,大学入試の個別選抜試験にけるCBT(Computer Based Testing)活用について検討するものである。特に,テキスト,動画,写真,計算機能,データベース,受験者の解答手順の制御など,CBTの特長を活かすことでペーパーテストでは技術的に問うことができなかった側面から評価することができる「総合問題」を開発し,「思考力・判断力・表現力」の測定範囲を拡充することが主な目的である。 研究初年度は,過去の入試で実施された総合問題について,出題内容や解答のタイプなどについて分類することで,ペーパーテストでは問うことが難しい思考力・判断力等の領域について資料分析を行った。多くの大学で過去に出題された試験問題について調べたが,多くのものがペーパーテストを前提に作題されていることもあり,そのままCBTに援用可能であるものはなかった。そこで,資料の種類や解答のパターンという視点からではなく,試験時間中に難易度調整を実施するというペーパーテストにはできないアプローチに着目し,CBTの特長を活かす機能構築へ方針を転換した。その結果,CBTのシステム制御によって段階的に受験生へヒントを提示することで,問題のレベル(難易度)をコントロールできる仕組みを考案し,さらに,この仕組みに適応しそうな過去の総合問題を選定することができた。この機能について,より具体的に整理し,翌年度に計画しているCBTプロトタイプの仕様としてまとめることができた。これにより,翌年度の研究計画を遂行できる準備までを終えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画は,これまでにペーパーテストとして出題されてきた各大学の「総合問題」を対象に,どのような資料や情報等が題材となり,何を問うているのかを分析する。この分析結果を踏まえ,CBTのメリットを生かした思考力・判断力等の測定領域を明らかにするとともに,CBTプロタイプの仕様を決定することである。 この計画について,過去問の分析とともにプロトタイプの仕様策定まで終えることができたため,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の計画は,前年度に作成した仕様に基づき,CBTプロトタイプを開発し,前年度に選定した総合問題(過去問)を実装する。このプロトタイプを用いて,大学生を対象とした2回のモニターテストによる検証を行う。また,大学入試固有の運用面の観点から,操作性やトラブル対応に向けた運用課題を抽出する。 研究の推進方策としては,CBTプロトタイプの開発を早急に進め,大学生を対象としたモニターテストの前に,有識者からCBTの機能や試験運用上の課題について意見を収集することで,円滑なモニターテストが実施できるようにする。
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