研究課題/領域番号 |
19K02890
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大学入試 / CBT / 総合問題 / ヒント問題 |
研究実績の概要 |
本研究は,大学入試の個別選抜試験にけるCBT(Computer Based Testing)活用について検討するものである。特に,テキスト,動画,写真,計算機能,データベース,受験者の解答手順の制御など,CBTの特長を活かすことでペーパーテストでは技術的に問うことができなかった側面から評価することができる「総合問題」を開発し,「思考力・判断力・表現力」の測定範囲を拡充することが主な目的である。 研究2年目は,前年度に検討したCBTのシステム制御によって段階的に受験生へヒントを提示し,問題のレベル(難易度)をコントロールできる仕組みについて,数学,化学,物理の問題を題材にプロトタイプを作成した。さらに,総合問題におけるヒント問題の有効性を検証するために,少し難しめの小論文を材料にしてオープンエンドな回答(400~800文字)を求める問題を作成した。数種類のヒントを準備し,10名のモニターテストを行った。その結果,「ヒントの分量と解法への役立ち度には一定の相関がある」「ヒントの効果が出るには,ある程度の分量のヒントが必要」「採点ルーブリックを材料としたヒントでは大きな効果がある」といったことが分かった。 今年度に計画していた大学生を対象としたモニターテストがコロナ禍のため実施できなかったため,次年度に向けて,上記の結果を踏まえたプロトタイプ問題をタブレットに実装し,学生を対象としたモニターテストを実施する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画は,前年度の成果を踏まえてヒント問題に焦点を当てた実証研究を行うことであり,その計画をある程度達成することができたため,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の計画は,2年目の成果を反映させた試験問題をCBTプロトタイプとして実装する。このプロトタイプを用いて,大学生を対象としたモニターテストによる検証を行う。また,大学入試固有の運用面の観点から,操作性やトラブル対応に向けた運用課題を抽出し,研究全体の総括を行う。研究の推進方策としては,新年度開始早々にCBTプロトタイプを準備し,学生の夏季休業期間を目途にモニターテストを実施するための計画を策定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により計画していた学生を対象としたモニターテストが実施できなかったため,本計画を次年度において実施する。
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