研究課題/領域番号 |
19K02892
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
白石 英樹 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50306643)
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研究分担者 |
高崎 友香 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00815029) [辞退]
N・D Parry 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50274973)
福井 龍太 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (50555480)
唯根 弘 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20845911)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国際交流 / 日本医療系学生 / 台湾医療系学生 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
2020年度において、本研究の重要な調査を実施することができなかった。本研究は,国際交流に関する意識についてのアンケート調査(意識、問題点、利点の3種類)及び面接(学生)などを,1)本学学内における学生・教員,2)協定校である台湾の高雄医学大学へ訪問し交流を行った本学学生・教員,3)台湾の高雄医大学から本学へ短期留学をしてきた台湾学生,4)台湾へ訪問交流をした際の高雄医学大学の教員,などへ実施することで,国際交流に関する意識の違いや国際交流の意識を高め,行動変容を起こさせる交流の在り方について検討するものである.しかし,2020年度は世界的な新型コロナウィルス感染症の流行・拡大により台湾から本学への短期留学は中止となり,また本学から台湾への訪問交流も中止となり,本研究の基軸となっている相互交流事業の実施ができず,アンケート調査などを実施することができなかった.さらに,日本においても新型コロナ感染症への対策として,緊急事態宣言による登校停止や遠隔授業など授業形態の変更など,本学学生の学習環境もさまざまな変化を余儀なくされ,本学学生へのアンケート調査においても十分に実施できなかった.オンラインによるアンケート等の実施を検討したものの,こうした非日常的な環境下での意識調査は,本来の意識とは異なる結果を導き出す傾向(バイアス)が考えられ,オンラインでの意識調査は実施しなかった. 一方,こうした環境下で国際交流の継続を模索し,協定校である台湾の高雄医学大学とWEB会議を開き,今後の交流の在り方について検討を行い,オンラインを通じた相互の授業への参加などの可能性を模索し,そうしたオンライン授業への相互参加やグループワーク(台湾学生と本学学生の合同)などを通じた国際交流による相互学生の意識について調査の実施を検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は,日本の医療系学生が国際交流を通じてどのように意識や行動変容が起こるのか,どのような国際交流がそれらを想起する要素となるのか,について示唆を得る目的で調査するものである.しかし,2020年度は新型コロナウィルス感染症の発生やパンデミック,国内外における規制や自粛など,国際交流を実施できる環境ではなく,また日本人学生においても国際交流に関する意識どころではなく,学内授業においても主体が遠隔授業となり,大学への登校も制限され,大学生活の大きな変化により多大なる影響を受けた.また,例年,台湾より留学生が来校し,学内で本学学生との授業参加や交流などが行われていたが,新型コロナ感染症の影響により,入国制限や出国制限などの規制により,来学が中止された.そのため,本学学生の留学生との交流事業は全く実施できず,本学から台湾への渡航訪問交流も中止となり,相互訪問による国際交流は全く実施できなかった. こうした状況下で,オンラインや郵送による本学学生へアンケート調査や面接による意見などを実施しても,コロナ環境下という本来の意識や気持ちの聴取とは違ったバイアスが大きく関与する可能性があり,意味ある調査研究ができないものと思われ,実施を見送った.2020年度は,2019年度に行ったアンケート調査などのデータ整理と分析を進める程度の実施にとどまった.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においても,新型コロナ感染症の収束状況は依然見通せず,7月に来校予定であった台湾からの留学生においても中止となっており(出入国規制管理や日本国内の感染状況の悪化),学内での国際交流は実施できなくなっている.また,本学学生においても2020年度と同様に遠隔授業が主体となっており,依然として学内登校や対面授業の再開には十分に至っておらず,国際交流への意識や行動変容に関する調査(アンケートや面談など)の実施は難しい状況となっている.本学からの台湾への訪問については2022年3月を予定しており,その訪問交流においては今後の感染状況や出入国規制管理の緩和状況により,実施の判断をすることになっている.今後の学内授業の状況(対面授業や登校の再開など)や来年3月の台湾への訪問交流の再開の判断により,学生の意識もコロナ感染症の影響が薄らぎ,国際交流に関するアンケート調査の実施や面談による調査などを再開できればと考えている.またオンラインでの授業参加(台湾学生と本学学生の混合グループワーク)の可能性やグループワーク参加を通じた相互学生の国際交流への意識アンケート調査の是非や可能性について協議,検討を重ねる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度においては,新型コロナ感染症の拡大により,相互訪問交流が実施できず(中止)となり,教員派遣や台湾学生の受け入れに対する対応・調査に必要な経費を使用することができず,多くの余剰が生じた.2021年度では,新型コロナ感染症の収束状況にもよるが,台湾学生の短期留学の受け入れ時期の変更協議(7月⇒12月あるいは2月)や台湾の高雄医学大学への訪問交流の再開(2022年3月)による教員派遣や調査を進めたいと考えている.また,オンラインによる交流についても並行して協定校と協議し,実施した場合のアンケート調査を相互の学生・教員へ実施できればと考えている.
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