研究課題/領域番号 |
19K02894
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山邉 昭則 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70533933)
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研究分担者 |
川越 至桜 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (20598289)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | リベラルアーツ / 教養教育 / 専門性 / 社会性 / 公共政策 / メディア / SDGs / 新型コロナ感染症 |
研究実績の概要 |
国内外の教育機関を対象として、専門的合理性と社会的/市民的合理性のいずれにも偏向せず、両者を往還し、統合的な学術的知見を提示する能力を育む教育について、カリキュラム、科目、教育内容等を中心に、継続的に調査・研究を推進した。国内外の医師養成の教育についても同様の調査を実施した。また、内部質保証、Institutional Research、Enrollment Management等の隣接の論点との関連性についても考察を進めた。さらに、今後の教育開発を目的とした研究授業を、対面・オンラインで計10回実施し、講師と学習者によるフィードバックを収集し、分析を行った。なお、新型コロナ感染症拡大防止のため、当初予定していた実地調査は控え、インターネットを活用した情報収集、ならびに遠隔インタビュー調査等に重心を置き、実施した。 2020年度の我が国における新型コロナ感染症の拡大は、まさに専門的合理性と社会的/市民的合理性の綱引きの様相を呈した。そして、医師をはじめ医療従事者と、その他の社会構成員が、どのように適切な相互理解を深め、望ましい社会を創成していくかについて、重い問いが投げかけられる契機ともなった。本研究が、時宜を得つつ、こうした将来性を備えた重要課題について、学術的回答を提示することの価値と責務を改めて実感する年度となった。 本年度の調査研究で明らかにされた知見は、AAAS(American Association for the Advancement of Science)等の国際学会や招待講演(オンライン)等において発表を行い、積極的に社会還元に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、国内外の教育機関の実地調査については、新型コロナ感染症拡大のため、インターネットを活用した遠隔調査へ適宜切り替えるとともに、それらの多くを翌年度以降の研究活動と位置づけることとした。なお、本研究代表者は、現職において、高度先進医療の病院実習等も行う医学生を教育・指導する立場にあり、新型コロナ感染防止に特に重大な社会的責務があるため、明確に適切な判断であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題に係る国内外の教育調査と進めるとともに、専門性と社会性/市民性の往還能力と学術的知見の提示能力の育成に必要とされる要素を抽出し、概念化を図り、体系化への道筋をつけていく。得られた知見に基づいた汎用的なテキスト作成の基礎的準備を始める。国内外の学会で積極的に発表と情報収集を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、参加が決定していた、あるいは参加を予定していた複数の国際・国内学会のほぼ全てが、中止・延期となり、旅費が執行されなかったため。 【使用計画】研究成果発表、学術情報収集、研究者交流等を目的とした国際・国内学会への参加費および旅費、教育開発に係る経費、論文投稿(国際誌の場合は英文校正費含む)に係る経費等の支出を予定している。
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