研究課題/領域番号 |
19K02897
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
若槻 健 関西大学, 文学部, 教授 (40421276)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人権教育 / 大学教育 / 教職課程 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の大学における人権教育の実施状況の全体像、取り扱う内容等の傾向について明らかにすることを目的にしている。本年度は、全国の大学に対して質問紙調査を実施した。147件の回答を得た。量的に大学での人権教育の実施状況を把握し、どのような内容の人権課題をどの程度カリキュラムの中で行い、またカリキュラム外の啓発行事等を実施しているのかを明らかにした。 また、学内における人権問題への対応について、どの部局がその任に当たっているのか、人権問題の学内窓口の整備状況をまとめる作業を行った。また、教職課程の中で人権問題をどの程度扱っているのか当人ついても明らかにした。 さらに、人権問題について研究する研究所を設置している大学がどの程度あるのか、その研究所の活動内容、研究員の雇用体制等について明らかにした。こうした研究所は、大学における人権教育、人権啓発さらには地域社会への人権啓発を推進していく役割を果たしていると思われる。先進事例として、次年度以降聞き取り調査を行い他の大学の実施モデルを提示する予定である。 具体的な分析結果については、次年度以降学会発表や論文執筆で示していく。その際には、地域的な偏り、大学の規模、設置年、教職課程との関連等に注視して分析を行っていく。人権教育、人権啓発、学内で発生する人権問題への対応体制構築などが進んでいる大学とそうでない大学を比較し、その差が生じる要因を明らかにする。そうすることで大学での人権教育推進の鍵となるものを明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は質問紙調査を実施し、単純集計で全体像を把握するところまでにとどまっている。大学が新型コロナウイルス感染対応等に追われていることもあってか、質問紙の回収状況が期待するより低く、回答期間を延長した。実施時期自体も大学の繁忙期を避けるために7月末にしたこともあり、質問紙の回収、集計が年度末になったことが遅延の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に、質問紙調査の詳細な分析を行うとともに、先進事例と思われる大学をピックアップし、聞き取り調査を行う。これらの手続きを通じて、大学における人権教育、人権啓発、人権課題窓口設置等を推進する要因を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査と先進事例の聞き取り調査が次年度に繰り越されたため、その経費が生じた。
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