研究課題/領域番号 |
19K02902
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
天海 丈久 弘前大学, 教育学部, 准教授 (80803204)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 知的障害 / 重複障害 / 教育課程 / 個別の指導計画 / 各教科(知的障害) / 目標設定 / 教員研修 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、知的障害者及び知的障害を併せ有する重複障害者に対する教育課程編成や個別の指導計画を作成する際、知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科(以下、「各教科」とする)等の目標の検討を容易にし、学習の積み重ねが可視化できるツール及び教員研修資料の開発を行い、実践を通して学校のシステムとしての確立を図ることである。 2019年度は、知的障害者や知的障害を併せ有する重複障害者の教育課程編成及び各教科等の目標や内容を踏まえた個別の指導計画作成の現状を把握し、教育課程及び個別の指導計画の実施の問題点と課題を明らかにすることを目的として、青森県内特別支援学校全21校に質問紙調査を実施した。その結果、教育課程編成については、各教科等の目標や内容を十分検討する必要があること、教員の教育課程編成の理解が不十分なことが確認された。また個別の指導計画については、各教科等の目標や内容を踏まえた作成が十分とはいえない現状が確認され、そのためには新学習指導要領と合致した指導内容表の作成、教員一人一人が各教科等の目標及び内容を理解し、重複障害者についても各教科等の指導の可能性の検討を十分行う必要性を理解すること等が確認された。 これらの結果を踏まえ、青森県内特別支援学校6校から9名の教員の協力を得て、各教科等の目標の検討を容易にし、学習の積み重ねが可視化できるツールを新学習指導要領を基に全ての教科等について作成し、調査報告と共に県内特別支援学校に配布した。また、教員の教育課程編成及び各教科等の目標や内容の理解を深めるための教員研修資料の開発を行った。今後これらのツールを活用することにより、各特別支援学校の社会に開かれた教育課程編成、障害の重度・重複化、多様化への対応等の推進が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知的障害者や知的障害を併せ有する重複障害者の教育課程編成及び各教科等の目標や内容を踏まえた個別の指導計画作成の現状を把握し、教育課程及び個別の指導計画の実施の問題点と課題を明らかにすることを目的として、青森県内特別支援学校全21校に質問紙調査を実施した。その結果を踏まえ、各教科等の目標の検討を容易にし、学習の積み重ねが可視化できるツールを新学習指導要領を基に全ての教科等について作成した。また、教員の教育課程編成及び各教科等の目標や内容の理解を深めるための教員研修資料の開発を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、県内特別支援学校の協力を得て、教育課程編成の在り方及び各教科等を踏まえた目標設定の在り方について、開発した教員研修資料を使用した研修会を実施し、効果を測定する。併せて協力校で同意の得られた児童生徒を対象に開発したツールを活用し、有用性を確認する。また2019年度に実施した質問紙調査の結果について、日本特殊教育学会においてポスター発表を行う予定である。 2021年度は、前年度の研究成果をまとめ、日本特殊教育学会にてシンポジウムを開催する予定である。 なお本研究の実施に当たっては、全年度とも数校の特別支援学校から研究協力者を募り、協同して研究を行う必要がある。そのため、研究打合せの会議を各年度3回程度開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費又は通信費として予算に余裕をもたせていたため、残額が生じた。翌年度に物品費及び旅費として使用する予定である。
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