研究課題/領域番号 |
19K02907
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00590358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 特別支援教育 / 自尊感情 / 教科指導プログラム / 健康障害児 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの開発を主目的として,健康障害児を対象とする個別指導を行い,次の3点を明らかにすることであった。すなわち,(1)学習内容の習得を促す教科指導の方法を明らかにすること,(2)教科指導が自尊感情に及ぼす影響を明らかにすること,(3)自尊感情を支える教科指導プログラムを作成して健康障害児に適用し,その効果を検証することである。 本年度は小学5年生から中学3年生までの参加者3名を対象として,研究代表者の勤務先にて原則として1回約90分間の個別指導を提供する「学習会」を全12回開催した。参加者1人あたりの「学習会」への平均参加率は55.6%であった。 学習会では,昨年度の検討を踏まえ各参加者のニーズと状態に応じた教科指導を提供するとともに,その効果を検証するために学習内容の習得度評価,理論モデルに基づいた自尊感情および自尊感情との関連が想定される心理変数の測定,定期テスト等学習関連情報の収集,学習会に対する参加者と保護者の印象の聴取を行った。 その結果,学習内容の習得を促す教科指導の方法として,事前アセスメントに基づいた個々の認知特性を考慮した学習支援と教材提供の有効性が示唆された。教科指導が自尊感情に及ぼす影響については分析データの不足により,十分な検討に至らなかった。自尊感情を支える教科指導プログラムについては,自尊感情の形成過程に関する理論に基づいて参加者個々の状態に応じた学習活動への主体性と目標設定を重視するプログラムが考案された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により,健康障害児に対する個別指導の実施回数が当初の予定の約3分の1となったため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は健康障害児に対する個別指導の実施回数が当初予定の3分の1であり,現状において検討に必要なデータが十分に得られているとは言いがたい。2021年度前半の進捗に応じて研究期間の延長を申請する可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由) 新型コロナウイルスの影響により,主として健康障害児を対象とする教科指導の実施回数が制限されたことによる。 使用計画) 今年度生じた未使用額については,次年度の助成金と併せて使用計画の内訳に即して使用する予定である。
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