日本では少年非行および未成年の検挙人員は極端に減少している状況である。一方で何らかの発達問題や精神医学的困難性に加え、被虐待経験のある深刻な非行少年は一定数で存在し、矯正教育施設でも処遇に苦慮している。多面的かつ複雑な問題を抱える少年に対して、日本の矯正教育施設は個別処遇と集団処遇を組み合わせて、長期的かつインテンシブな支援を提供してきた。 本研究では、行動面や心理面のみならず、神経科学的にも児童自立支援施設のような矯正教育機関の提供する教育が効果的であることを示した。さらに、矯正教育が得意とする教育環境の構造化は、非行少年のみならず様々な困難性を示す子どもたちにも効果的であることを示唆した。
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