研究課題/領域番号 |
19K02915
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松本 秀彦 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (70348093)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校低学年通常学級 / 読み流暢性 / MIM-PM / 実践導入 |
研究実績の概要 |
①MIM-PM教材の10ミニッツ指導パッケージの開発と通常の学級における試験的導入効果検証:MIM指導の10MIN教材を28種類を作成し公立E小学校1,2年生において指導開始した。指導効果の検証は2年目の課題とする。②MIM-PMアセスメントにより早期発見された個別指導ニーズのある児童への個別指導体制の立案:E小学校にて指導体制を提案・実践した。3rdステージの児童の個別的指導は小集団形式で放課後に行われた。③「教員の業務負担感アンケート」、「児童の学習つまずきの気づきアンケート」:MIM-PM導入のために必要な改善点を探る目的で5つの学校(A~E小学校)においてMIM-PM指導実施を仮定して負担感を調査した。教材づくりの負担が大きく10MIN教材が有効であることがわかった。「児童の学習つまずきの気づき」についてはE小学校において1,2年生の担任にインタビュー形式で行った。読みの苦手さに気がつけたこと、児童の学習態度が前向きになったとの回答を得た。④MIM-PMアセスメントの実施および3rdステージ児童へのICT活用個別指導の実施:協力校において1,2年生のアセスメントを定期的に実施した。アセスメント得点が伸びたことは指導が行われなかった学年と分散分析によって明らかにした。ipadを利用した指導は指導回数が十分に取れず次年度に継続する。⑤導入校増加のための教育委員会との協議:高知市教育委員会の学校支援事業において2019年度には小学校1校(G小学校)、2020年度には2校(G,I小学校)においてMIM-PM指導導入の実践研究を行うこととなった。なお自治体単位の取組みは仁淀川町が継続中である。⑥論文投稿:教師の負担感アンケートについては大学紀要論文に、学力と読み流暢性との相関についてはLD研究に、校内体制については2020年度のLD学会において投稿発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
10MINパッケージを作成して部分的であるが指導実践を開始できたこと、読み流暢性指導としてMIM-PM導入開始した学校が増加したこと、指導実施有無によってMIM-PMアセスメントテスト成績に差があることが統計的に確認できたこと、次年度に向けて教育委員会との関係性を構築し実施校を増やす見通しが持てたためである。
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今後の研究の推進方策 |
(1)10MIN指導パッケージのコピーを作成し実施校へ提供して活用の効果を検証する。教師の負担感の検討と児童の学習効果をアセスメントテストで検討する。 (2)学力とMIM-PMアセスメントテストとの関連性の検証を継続する。公立小学校1校(D校)において学力のデータとMIM-PMアセスメントの得点との関連性を統計的に検証する。 (3)教育委員会との連携によって実施校を10校に増やす。実施する小学校には個別指導でICT指導できるようIpadを提供する。 (4)教員を対象とした研修会を高知大学の附属学校教育研究センターと共同で実施する。 (5)成果はLD研究、大学紀要に投稿することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していたタッチセンサー搭載のノートPCではなくipadによっても指導アプリケーションが使用できることがわかったためノートPCを購入する必要がなくなり、より安価なipadを購入したため差額が生じた。
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