本研究は,ASD児者の入眠困難の特徴を明らかにし,生活リズムの形成や改善のための個別支援計画立案に資するアセスメント法の検討を目的として実施した。基礎研究においては順応が必要な環境においては,入眠時間の短縮と睡眠の持続力が弱くなる特徴が示唆された。また,ASD児における事例検討では,入眠困難と共に睡眠の時間帯やリズムの乱れ,中途覚醒という共通する傾向が示された。そして日中の活動の質が主観的・客観的な睡眠困難と関連することが示唆された。これらの研究より,発達検査や日中活動記録と睡眠困難との関係を多角的に読み解くアセスメント法の重要性が示唆された。
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