研究課題/領域番号 |
19K02923
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
黒田 学 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10293581)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 障害者 / インクルーシブ社会 / インクルーシブ教育 / 障害者雇用 / 障害者福祉 / ASEAN / ベトナム |
研究実績の概要 |
研究課題に関わる文献、資料の収集と整理を行った。当初予定の現地調査(2020年3月、ベトナム、マレーシア)については新型コロナウイルス感染拡大への対応のため、入国制限、出国の見合わせがあり、実施できなかった。次年度、新型コロナウイルスの収束状況を見極めながら、現地調査を進めることとする。 インターネットを通じて、ASEANのなかでも、ベトナムの最新の基本統計(経済、社会等)に加え、障害児の就学率、障害者雇用の状況について、統計資料を得て、概観を整理することができた。特にベトナムの障害児の就学率については、これまで40%程度とみなされてきたが、ベトナム統計総局の最新統計(2016年)では、小学校の総就学率88.4%が示された。ただし、研究代表者の知見やこれまでの調査から、障害や特別な教育的ニーズに対応した専門性が担保された教育実態があるのか疑わしく、調査を重ねる必要性を見いだしている。また、ベトナムは、2007年に障害者権利条約に署名し、2010年に障害者法を制定しており、2020年が障害者法制定10年の節目であることに改めて注目し、障害者施策の動向を把握したい。 ASEAN諸国では、障害者雇用を福祉政策として十分に位置づけられていないため、障害当事者や関係者の努力によって就労が実現できている傾向がある。そのため、障害者全体の就労・雇用状況の厳しさは継続しており、特に障害と貧困・格差問題との関連に注視し、その実態を把握する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている要因は、当初予定の現地調査(ベトナム、マレーシア)が、新型コロナウイルス感染拡大への対応のため、実施できなかったからである。新型コロナウイルスの収束状況を見極めながら、研究計画を見直しつつ研究を展開させたい。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題に関わる資料および文献収集、先行研究の整理については引き続き取り組みつつ、2020年度においても新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され、ASEAN諸国への入国制限があり、現地調査のめどが立たない状況である。収束状況を見極めながら、現地の研究協力者と連絡を取りながら、研究計画を見直しつつ、現地調査の計画を具体化し、遅延なく実施することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は、当初予定の現地調査が、新型コロナウイルスの感染拡大状況に鑑み、その実施ができなかったためである。2020年度の新型コロナウイルスの収束状況を見極めながら、実施計画を立て、実施の方向で検討する。
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