研究課題/領域番号 |
19K02924
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
千賀 愛 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10396335)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | アメリカ / 特別ニーズ教育史 / ハル・ハウス / 身体活動 |
研究実績の概要 |
本研究課題「アメリカ進歩主義期における特別なニーズのある子どもの身体活動に関する史的研究」は、1890-1920年代のアメリカで展開された新学校・進歩主義学校および地域支援活動としてのセツルメント活動を対象に、特別な身体的・教育的ニーズのある子どもの身体活動や体育・スポーツ活動の観点からその取り組みを明らかにすることを主な目的としている。 計画では、2020年3月上旬に米国シカゴ市でハル・ハウス博物館と隣接するイリノイ大学Richard J.Daley図書館の貴重資料室に所蔵されるセツルメント活動内容や運営に関わる一次資料を含めたHull-House Collection(資料集)の資料調査を予定していた。しかし、新型コロナ感染拡大によりシカゴ市のみならず全米の大学の貴重資料の公開が一時停止し、現在は公開を学内者のみに限定している状態であり資料収集が困難になっている。 このため過去に収集した資料をもとに、研究代表者の日帰り出張が可能な北海道内の資料を調査し、「ハル・ハウスにおける特別なニーズのある子どもの余暇・身体活動の展開(1890-1907)」(北海道教育大学紀要)を執筆、2020年8月に論文が発行された。またアメリカを含む特別ニーズ教育の国際動向について分担執筆した図書が6月には刊行された。 また2020年度は8月にスウェーデンで開催予定の第42回世界教育史学会(ISCHE42)にエントリして"Sports and Physical Activities for Children at Hull House, a Social Settlement in Chicago 1889-1915"のタイトルで口頭発表を予定していたが、新型コロナの世界的な感染拡大により大会が延期となり、2021年6月にオンライン開催されることになった。 さらに同年9月に日本デューイ学会のシンポジウムで「インクルーシブ教育と民主的社会の未来」でシンポジストとしての登壇を予定していたが、これも新型コロナ感染拡大を理由として翌年に延期開催となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歴史資料の収集のために米国へ渡航できず、また本研究が対象とする貴重資料は、大学資料室で学内者に利用が制限されていた。また発表を予定していた学会が中止になり、翌年に延期されたことやオンライン授業のために時間的な制約が大きくなり、十分な研究作業時間を確保することが困難な時期があった。
|
今後の研究の推進方策 |
デジタル化された資料や近隣で入手できる資料を活用しながら、研究を進めていきたい。 2021年度のWeb開催の国際学会では発表時にリアルタイムの議論の機会もあるため、国際的な研究の水準となるよう努力したい。 2021年は特別ニーズ教育学会においてアメリカ研究における特別ニーズ教育研究に関する学会報告を予定しており、分析枠組みや理論的な検討を行なっていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外出張(国際学会の発表:スウェーデン)や資料収集(米国シカゴ市)が新型コロナ感染拡大による渡航制限のため中止となり、旅費を使用する機会がなくなってしまったことが理由です。
|