研究課題/領域番号 |
19K02925
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
足立 匡基 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50637329)
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研究分担者 |
萩原 拓 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00431388)
斉藤 まなぶ 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40568846)
高橋 芳雄 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70760891)
中村 和彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80263911)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / スクリーニング / 感覚プロファイル / 感覚処理 / 早期発見 / 3歳児 / 5歳児 / SRS-2 |
研究実績の概要 |
3歳児健診を受診した児の5歳時点の健診データのサンプリングについて進めた。新型コロナウィルス感染症の拡大の影響から、5歳児健診の二次健診について実施形態を変更したことから、収集にやや遅れが見られているものの、既に解析に耐えうるだけのサンプリングの見込みは立っており、大きな問題にならないものと考えられる。 5歳児健診のデータの収集が終わり次第、3歳児健診のデータと5歳児健診のデータを接続し、縦断的データから 3歳児検診で取得したSPの総得点および各セクションの得点を独立変数、5歳児発達健診で得られたASDの診断を従属変数としてカテゴリカル重回帰分析を行い、3歳児時点の感覚処理の非定型的発達が5歳におけるASD診断を予測する程度を検証する。 現時点での解析状況は、昨年度時点の結果から大きな進展はない。昨年度、実績にて報告した感覚プロファイルのデータについてLatent Class Analysis(LCA)は、新たに収集を2019年に収集したサンプルにおいても同様の結果が得られ、その再現性が確認された。その後の、ロジスティック回帰分析も同様の結果が示され、コミュニティベースのスクリーニングにおいて、感覚処理の特定のパターンがASDの早期発見に寄与できる可能性が示唆された。 現時点での解析は、Social Responsiveness Scale Second Edition(SRS-2)のカットオフ値を用いた、暫定的な解析であるが、次年度に5歳児健診で得られる診断データが収集でき次第、自閉スペクトラム症の診断を目的変数とした解析を行い、感覚の問題が診断を予測する程度、従来の予測率の向上に寄与するか否か、について検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べた通り、新型コロナウィルス感染症拡大の影響から5歳児健診の実施形態の変更があり、サンプリングに遅延が認められる。 申請書に記載した「3歳半検診の横断データについて、SPとSRS-2、SDQの相関分析および、SPの視覚・聴覚などの各モダリティの得点を独立変数、SRS-2の得点を従属変数とする重回帰分析を行い、コミュニティベースのデータにおいて、SPとASD特性との関連、感覚処理の非定型的発達がどの程度ASD特性の高さを予測するかについて予備的な知見を得る」について、計画通り遂行したものの、学会の開催が開催が延期された。研究結果は、International Society for Autism Research(INSAR) Annual Meeting 2021にポスター発表として申請し、採択されている。現時点において2021年5月に発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
実績の概要で示した通り、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響から、5歳児健診の二次健診について実施形態を変更した。具体的には、実施予定日を分散し、一度に実施する人数を減らして行っている。このため収集にやや遅れが見られているものの、既に解析に耐えうるだけのサンプリングの見込みは立っており、大きな問題にならないものと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響から、国際・国内学会や研究打ち合わせの旅費が軒並み使用不可とったことから次年度使用額が生じた。しかし、同理由からサンプリング実施方法の一部の研究計画の変更が生じており、今後、研究の進捗状況が芳しくない場合には、外部委託費・謝金等を用いて、この遅れをカバーする可能性がある。繰り越した助成金については、このような使用用途に必要となる。
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