予備調査からは「障害」概念に付随するスティグマやネガティビティを養育者側も支援者側も注視していく必要があることが明らかになった。これに基づきインタビューを行った。結果,障害理解を困難にさせる要因として「母という役割の呪縛」「子に“ふつう”を求める」といったカテゴリーが抽出できた。また、それらに対して「母役割から一歩離れる」「自分の“ふつう”を改変する」といった、より個人のスティグマに触れていくことが支えとなっていたことが明らかとなった。以上から,障害理解促進や母親同士のピア関係による支えよりも、個々人が内にある障害をのりこえるための心理的支援、よりパーソナルな支援が必要であることが考察できた。
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