研究課題/領域番号 |
19K02942
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
赤滝 久美 大阪電気通信大学, 医療健康科学部, 教授 (30280811)
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研究分担者 |
三田 勝己 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 特別共同研究者 (40100169)
渡壁 誠 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70182946)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 特別支援教育 / 訪問教育 / ICT |
研究実績の概要 |
本研究では,Web教室合同学習によるICT訪問教育の実証研究を行ってきたが,これをより充実させ,拡大することを目的とし,京都府立向日が丘支援学校,北海道稚内養護学校,北海道旭川養護学校の3校の協力を得て研究を推進した。京都府立向日が丘支援学校では,訪問生のWeb教室合同学習に加えて,これを援用して学校行事(始業式,終業式,卒業式など)への参加も通常に行われるような体制が確立できた。さらに,新しい試みとして,アバター(分身)・ロボットやプレゼンス・ロボットと呼ばれるロボットの導入をスタートした。現在,据置型のKubiと自走型のDoubleの2機種を活用している。Web教室合同学は居宅と教室,つまり点と点を繋いだ一つの線とみることができる。据置型ロボットは周りをみることができ,自走型ロボットは学校の中を移動できるので,活動を線から面へと拡大することが可能となる。新しいICT教育支援として,その可能性を追究していきたいと考えている。北海道稚内養護学校では,気管切開をして音声会話が困難な訪問生にWeb教室合同学習を行っているが,視線入力装置Tobii Eye Trackerを導入し,コミュニケーション環境の拡大を図っている。北海道旭川養護学校では,訪問生へのWeb教室合同学習に加えて,重症心身障害児(者)施設での施設内学級と病棟訪問生との間のWeb教室合同学習にも取り組んでいるが,新型コロナウイルス感染症の影響で施設内学級が閉鎖となってしまった。このようにICT訪問教育を拡大する挑戦を行ってきたが,コロナ過のため学校閉鎖がおきたり,また,研究者が訪問して実証研究の評価をすることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究協力校の特別支援学校3校では,コロナ過の中で学校閉鎖という事態も発生したが,何とか登校して対面での学習が継続されてきた。一方,訪問教員が居宅へ行くことは感染予防から困難な場合が多く発生し,Web教室合同学習においても機器操作が必要であることから実施することがしばしば困難であった。また,研究者が実証研究の評価のために学校や訪問生宅へ行くことはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ICT訪問教育の実証研究と評価は本研究の中核をなすものであるが,新型コロナウイルス感染症の影響は大きく,当初の計画は大幅に遅れてしまった。新型コロナウイルス感染症の終息状況をみながら,研究計画を1年延長することを検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による研究の遅れに対処したり,研究期間の延長を想定して,研究費を保留しておく必要があると考えた。
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