| 研究課題/領域番号 |
19K02947
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| 研究機関 | 山形大学 |
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研究代表者 |
大村 一史 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (90431634)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 実行機能 / 発達障害 / 個人差 / 実験系心理学 / 脳・神経 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題では、発達障害の示す認知行動特性の傾向を実行機能のプロフィールとして描き出し、行動指標（行動データ）と生理指標（事象関連電位[event-related potential: ERP]データ）の組合せによって、実行機能の性差を発達障害の質的要因の一つとして捉え、定型発達と非定型発達を隔てる分水嶺を探る質的・量的アプローチを用いた認知神経科学研究を展開する。前研究課題を発展させて、質的な性差に加えて、性差に起因する認知行動特性に影響を及ぼすと考えられる胎児期のテストステロン暴露量を人差し指と薬指の長さの比率（2D:4D比率）を要因として追加するとともに、情動面の実行機能（情動的実行機能: Hot EF）を半側視野呈示を用いた情動処理課題から検討している。
1年間延長した前研究課題に乗り入れる形で、定型発達内の健常大学生（男性13名、女性12名）を対象とした半側視野呈示の情動処理課題を用いたERP実験に対して、2D:4D比率を新たな要因として組み込んだ分析を行うため、まずは2D:4D比率の測定方法の確立を試みた。先行研究を精査することから開始し、最終的に、各被験者の両手をフラットスキャナーでスキャンし、デジタルデータとして取り込み後、計測者2名により、コンピュータ上で指の長さを計測する方法を採択することとした。マイクロソフトWindows 7のサポート終了に対応するために、2019年秋より実験室インフラの整備を開始し、年度内にほぼ完了させることができた。この間は、実験自体は一時休止し、取得済みのデータ整理と予備解析を進めることに充てた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年初旬にマイクロソフトWindows 7のサポートが終了することに伴い、実験用PC、測定用PC、解析用PCなどのOSをWindows 10に移行し、かつ実験用ソフトウェアや測定装置との互換性を厳密にチェックしなければならなかった。このような実験室インフラの整備に2019年秋頃より着手したことと、春休み期間中、新型コロナウイルス感染拡大の影響のために実験を見合わせていたことなどにより、実質、2019年度前半しか実験を行うことができなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
マイクロソフトWindows 7のサポート終了に伴う実験室インフラの整備期間中は、実験自体は一時休止したが、取得済みのデータ整理と予備解析を進めることはできた。今後は、新型コロナウイルスの感染拡大が収束するまでは人を対象とした予備実験および本実験は難しいため、引き続き取得済みのデータ解析を進めるとともに、さらなる実験課題の精緻化と高度な解析方法のスキル獲得を中心に行う。新型コロナウイルスの問題が収束後、速やかに実験が開始できるように準備を入念に整えておく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
予定していた新たなアクティブ電極セットの購入を1年間延長した前研究課題の助成金でまかなえたことと、実験室インフラの整備や新型コロナウイルス感染拡大の影響による実験休止に伴い、研究対象者に支払う謝金が見積りより減額したため、今年度の助成金に余剰が生じた。実験用ディスプレイの老朽化が懸念されるため、次年度に繰り越した余剰分を、リフレッシュレートが高く刺激呈示の遅延が少ない高精度実験用ディスプレイを購入する費用に充当する予定である。
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