| 研究課題/領域番号 |
19K02950
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| 研究機関 | 千葉大学 |
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研究代表者 |
宮寺 千恵 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90436262)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 神経発達症 / ADHD / 自尊感情 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、注意欠如・多動症（ADHD）の学業面の特徴と自尊感情の関連を明らかにすることである。そのため、本研究は①文献による検討、②質問紙調査による検討、③支援のあり方に関する検討で構成している。
当該年度は、②質問紙調査を主軸として研究を実施した。研究の目的は、ADHD傾向と学業成績が自尊感情に及ぼす影響について検討することであった。ADHD傾向が強い子どもたちほど自尊感情が低いといったことが先行研究で報告されているが、自尊感情の低下に学業成績がどのように関わっているのかを検討したいと考えた。
今年度実施した調査では、神経発達症の子どもたちと定型発達児の子どもとその保護者を対象として、質問紙調査を実施した。各群の子どもたちのADHD傾向と学業成績については保護者に、そして自尊感情と学校生活イベントがネガティブなものかどうかを問う質問については子ども自身に回答を求めた。その結果、神経発達症群の子どもたちは定型発達群の子どもたちに比べて、ADHD症状（不注意症状と多動性・衝動性症状）の傾向が強く、自尊感情が有意に低下すること、学校生活上ネガティブなイベントが多いことが示された。
学業成績別に検討した結果、成績が高いグループにおいては、神経発達症群と定型発達児群との間で有意な差は認められず、学業成績が同等の場合、自尊感情についても違いがないことが示された。今回の研究は人数が少ないため予備的な知見であるものの、神経発達症群の自尊感情に関わる要因を明らかにするための基盤となると考える。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、調査を見合わせた時期があったものの、当該年度については小学校での質問紙調査に対する協力が得られ、質問紙調査を実施することができたため。また、小学校の教員を対象とした調査についても実施し、成果にまとめることができたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は質問紙調査の結果を分析し、ADHD症状ならびに学業成績が自尊感情に及ぼす影響について結果をまとめる。さらに、神経発達症群だけではなく定型発達児群のデータにおいても、自尊感情に関連する要因について検討を進めたい。また、得られた知見に基づき、支援の方向性についても提案したいと考える。小学校の教員からのサポートに関しても調査を進めているため、どのようなサポートが効果的であるのかについても合わせて検討したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて国内外への出張ができなくなり、旅費として予定していた予算が使えなくなったため。次年度は旅費ではなく、論文校正や論文の投稿費などの金額に充てる予定である。
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