本研究では、子供たちの不注意、多動性の傾向が高いことが自尊感情や学校生活での困難さとどのように関連するのかを検討した。対象は神経発達症の診断のある小学生から高校生(NDD群)、診断のない小学生(TD群)であった。子供には自尊感情や学校生活の困難さ、抑うつ症状、ソーシャルサポート知覚について、保護者には子供の不注意ならびに多動性の傾向、学業成績について尋ねた。その結果、学業成績は自尊感情に影響を及ぼすこと、NDD群はTD群に比べて自尊感情が低いこと、NDD群は両親からのソーシャルサポート知覚が高いことが示された。また、TD群では男児において不注意や多動性傾向が自尊感情の予測因子となった。
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