研究課題
基盤研究(C)
本研究は、読みの学習困難リスクを早期に把握する方法とそれに基づく介入効果を明らかにすることを目的とした。幼児と低学年児を対象に行った調査から、平仮名の読みの初期学習に、音韻操作や構音の獲得状況が関与することが明らかになった。介入については小学校1~3年生を対象に、プリント教材を用いて反復的に行った。その結果、単語を速やかに読むスキルに顕著な効果を認めた。これらの検討から、平仮名の読み困難に関与するリスクが明らかとなり、これに基づいた介入の有効性について考察することができた。
特別支援教育
本研究は、平仮名の学習困難リスクが就学前の段階で把握できる可能性を示しており、より早期の予防的支援を可能にするものと言える。この中で、幼児期の音韻操作と構音の発達的関連が示唆されたことは、今後、就学前段階におけるスクリーニングに寄与するものと考えられた。小学生を対象とした介入では、平仮名の習得が良好な児と低成績の児ともに効果が示され、学級単位で実施する意義を認めることができた。