研究課題/領域番号 |
19K02961
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
桑原 桂 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (00734047)
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研究分担者 |
泉 修司 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20452055)
廣田 栄子 筑波大学, 人間系(名誉教授), 名誉教授 (30275789)
石上 和男 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 教授 (60092665)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 新生児聴覚スクリーニング検査 / refer児 / 追跡調査 |
研究実績の概要 |
(1)本研究は全新生児対象の新生児聴覚スクリーニング検査(NHS)について、人口およそ225万人の自治体地域においてその受検児の診断・療育・教育経緯について追跡を行い、その効果と課題を明らかにする。そのために新潟県のNHSにおいて要精密検査(refer)となった児について、新生児聴覚スクリーニング実施医療機関から精密検査実施医療機関までに至る状況、市町村や早期支援機関からの支援の有無を追跡調査し、その支援の現状についてその内容を確認し、NHSとそのfollow-up体制のモデルを提言するのが目的である。 (2)2020年度は新型コロナ感染拡大の影響により、新生児聴覚スクリーニング実施医療機関、早期支援機関、各自治体へ直接出向くことが困難となったため、過去に行った実態調査の結果を分析調査しNHS受検有無やNHS受検結果がその後の支援等にもたらす影響についてまとめた。2021年度も新型コロナ感染拡大の影響があったため、精密機関実施医療機関に依頼し、オプトアウト形式にて2016年1月1日から2020年12月31日にまでに誕生した児のうちreferとなった児が来院した診療・療育記録をカルテより抽出した。その記録を新潟県に提出し、県が集めた全30市町村の記録と突合するように求めている。 (3)この調査からNHSから療育・教育機関へとつながるような体制整備があるのか、片耳難聴や軽度・中等度難聴児に対する支援はあるのか、実態をつかむと同時に各自治体、医療、教育施設の連携の在り方を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
オプトアウトの手続きが新潟県内の全精密検査医療機関で2021年9月に済み、2021年11月初旬にデータ収集、データ整理を終え、データのカルテ番号と個人氏名を除いた情報を各児を誕生した市町村ごとに分け、県に提出し、県が収集している情報を突合している最中である。今後、1年目に収集した他国のNHS受検児追跡システム、2年目に収集した日本におけるNHS体制整備に関する情報を整理し、新潟県の現状と照らし合わせ、問題点を明らかにして行く。
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今後の研究の推進方策 |
現在、行政に新潟県内の精密検査医療機関及び精密検査二次医療機関からの情報を提示し、県が各市町村から把握したrefer児数を突合して確認するように要請している。県が把握しているデータに不足があるため、現在県から各市町村に確認を要請をしている段階である。もしもすべての突合が困難であれば、その理由について把握し、今後情報共有のシステムについて諸外国、国内の他の自治体の状況と照らし合わせて、そのシステムを提案していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回、トラッキングシステムを構築し、データ入力を外部委託しようと思い、お金を残していた。2022年1月にようやく新潟県が把握する各自治体の情報の一部と突合したのだが、まだ大部分の調査が残っている。トラッキングシステムの構築までを今回の研究の目標としないと結論づけた。しかし昨年度11初旬までに行った精密検査実施医療機関からの調査結果で、NHS実施医療機関、療育・教育機関、各自治体の母子保健担当部署との関係が明らかとなったため、研究の成果発表として、トラッキングシステムの構築に対していくつかの提案はできる。しかし次年度以降の使用額が膨大であることは否めないため、現在既に精密検査医療機関において精密検査に用いる聴力検査機器の購入を行い、NHSrefer児の確定診断と療育のために正確な聴力把握するために使用を始めている。その機器の搬入を行った時期が3月中旬で年度末決算に間に合わなかったため、次年度使用金額に含めることとなった。また機器購入後の残金は、成果発表のために学会発表、論文発表等で支出が見込まれる予定である。
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