研究課題/領域番号 |
19K02962
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
荒木 史代 福井工業大学, 工学部, 教授 (20724008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 障害学生支援 / 組織コンサルテーション / 支援システムの整備 / 学生相談カウンセラー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学にて障害のある学生の支援プログラムの実践や、支援を行うための大学システムの整備において、大学・学生相談機関に従事する学生相談カウンセラーの機能や役割を明らかにし、実効的な組織体制の構築を可能とすることである。本研究では、まず、学生支援に携わる学生相談カウンセラーや、障害のある学生と教職員の調整を行う障害学生支援コーディネーターなど大学で学生支援に携わる「人」の動きに着目することで、障害学生支援に携わるカウンセラーやコーディネーターに必要な知識やスキルを明らかにすることを目標としている。 令和3年度は、(1)障害学生支援に携わる学生相談カウンセラー、支援コーディネーター対象のインタビュー調査の分析、(2)A大学の障害学生支援の実践の検証を行った。 (1)インタビュー調査については、障害学生支援に携わる学生相談カウンセラー、支援コーディネーター計9名に半構造化面接を行い、実際の業務、連携、組織へのコンサルテーション、その際に必要なスキルや知識について尋ねた結果を分析した。その結果、障害学生支援に携わる支援者に必要な「専門性に対する知識やスキル」、さらに、「専門性」を促進する要因として、学生支援・他者理解・組織理解に対する「態度」を具体的に抽出した。本インタビュー調査の結果については、国際学校心理学会(ISPA)への発表の準備を進めた。 (2)A大学の障害学生支援の実践の検証については、移行支援、修学支援、就労支援の取り組みについて、大学研究紀要に報告としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、令和3年度は、①インタビュー調査結果の学会での発表、②質問紙調査を実施する予定であった。引き続き、新型コロナウイルス感染症流行のため業務が増えたこと、国内学会のオンライン開催にて調査協力者への依頼が難しかったことから、本研究課題の現在までの進捗状況について、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、組織コンサルテーションにおける学生相談カウンセラーの役割・機能モデルの作成に向けて、(1)文献研究として、各大学の公表されている事例報告の検討、他大学の学生相談機関に従事する学生相談カウンセラー対象の(2)質問紙調査の実施、(3)研究の成果報告を行う予定である。 (1)文献研究については、各大学における「障害学生支援体制整備」に関する報告書等事例報告を収集し、組織コンサルテーションにおいて、カウンセラーやコーディネーターがどのような役割を果たしているかについて整理する。 (2)文献研究、インタビュー調査の結果から、学生相談カウンセラーの役割と機能を明確化することを目的として、学生相談機関に従事する学生相談カウンセラー対象の質問紙調査を実施する予定である。 (3)これらの研究結果を、国際学校心理学会 (ISPA)、日本学生相談学会等で研究発表を行うとともに、論文として投稿する準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学校心理学会 (ISPA)、日本教育心理学会、日本心理臨床学会での研究発表を予定していたが、新型コロナウイルス感染症流行のため、オンライン開催となり、旅費が支出されなかったため、次年度使用額が発生した。令和4年度は、対面開催される予定の学会への旅費に支出を計上する予定である。
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