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2020 年度 実施状況報告書

ASD学生の能力・才能を専門職就労へとつなげる専門教育-キャリア支援モデルの創出

研究課題

研究課題/領域番号 19K02963
研究機関京都ノートルダム女子大学

研究代表者

三好 智子  京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 准教授 (10388069)

研究分担者 藤川 洋子  京都工芸繊維大学, アクセシビリティ・コミュニケーション支援センター, 特定教授 (80445965)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードチェックリストの検討 / ピア・チューター活動 / 教員とのミーティング / 学内での就労体験 / 支援環境の検討
研究実績の概要

2020年度の研究実績は以下の通りである。
(1)学習支援に関する検討:①発達特性に関連した困り感を簡便に把握するためのチェックリストの項目およびその活用方法を、大学生を対象に実施した調査票のデータを用いて検討した。抽出された項目は、障害名によるスティグマの問題を退けつつ具体的な困り感が把握しやすいという点で、多人数への実施に加えてフィードバックにも活用しやすいことが考えられた。②ピア・チューターによる学習支援の状況と経過を共有し、課題や改善点の検討を行った。併せて、2019年度に続き、ピア・チューター学生を対象としたインタビュー調査を継続した。③教員との面談・ミーティングを通して、支援学生の発達特性等を踏まえた学習支援の方法について検討した。
(2)キャリア支援に関する検討:①学外就労支援機関との連携および関連のイベント等での情報収集を継続した。また、ITスキル等、特定のスキルや就労形態に特化した就労支援を行う支援機関に関する情報収集を行った。②国外の先進的な取り組みに関する情報・資料収集を行った。③学内部署の協力を得て、学内での就労体験の取り組みを開始した。
(3)支援環境に関する検討:COVID-19感染拡大の影響を大きく受けた2020年度の学習状況を鑑み、大学生を対象にオンライン調査を実施し、発達特性に関連した困り感とオンライン授業の認知の関連性を、学習のユニバーサルデザイン(UDL)の観点から検討した。オンライン授業の活用にあたっては、「計画と整理」を助ける環境の整備や学生のスキル向上の支援が重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

(1)学習支援に関する検討:①アセスメントツールの検討、②ピア・チューター活動に関する検討については、概ね計画通りに進んでいる。③教員の協力を得ての学習支援の検討については、2019年度に続き、面談・ミーティングを通して行っている状況である。事例等の状況をみながら、引き続き慎重に進める方針としている。
(2)キャリア支援に関する検討:①学外就労支援機関等の連携、関連の情報収集については、計画通り進んでいる。②国外の関係機関を訪問し現地で情報収集を行う計画については、COVID-19の影響で2020年度も実施できなかったため、遅れている。オンラインでの情報・資料収集は行っており、国外の関連機関より先進的な取り組みに関する資料の提供を受けることができた。③学内部署の協力を得て、学内でのアルバイト体験の取り組みを開始することができたことから、計画以上に進んでいる。
(3)支援環境に関する検討:COVID-19感染拡大の影響を大きく受けた2020年度の学習状況を鑑み、学生を対象としたオンライン調査をもとに、発達特性に関連した困り感とオンライン授業の認知の関連性を、学習のユニバーサルデザイン(UDL)の観点から検討することができたため、計画以上に進んでいる。

今後の研究の推進方策

(1)学習支援に関する検討:①アセスメントツールの検討については、2021年度はこれまでの分析結果および収集した資料をふまえ、キャリア支援との連動という視点から検討を行っていく。②ピア・チューター活動に関する課題・改善点の検討については、2021年度も継続する。インタビュー調査については、調査を継続するとともに分析作業を進める。③教員の協力を得ての学習支援の検討については、2021年度は、学生の専門分野と就労の連動に重点をおいて、検討していく方針である。
(2)キャリア支援に関する検討:①学外就労支援機関との連携、関連の情報収集については、2021年度も継続する。②国外の取り組みに関する情報収集については、COVID-19の状況をみながら、オンライン等の方法も含めて可能な方法を探りつつ進めていく。
(3)支援環境に関する検討:2019,2020年度に実施した調査結果をふまえ、人的環境およびオンライン・ツールを含めた物理的環境の両面における、支援環境整備の具体的なあり方を検討していく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大の影響により、国内外での情報収集にかかる旅費および人件費を使用しなかったこと、また、多くの学会がオンライン開催となり、研究成果の公表のための学会参加にかかる旅費、発表関連費を使用しなかったため。国内外での情報収集の計画については、今後もCOVID-19関連の状況をみながら、オンライン等の方法も含めて可能な方法を検討したうえで、そのために必要な経費を使用していく予定である。

備考

藤川洋子. On-line講義とアクセシビリティ―コロナ禍の新入生アンケート調査より―.京都工芸繊維大学情報科学センター広報誌2020; 39: 42-46.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 発達特性に関連した困り感とメンタルヘルスの関連 ―チェックリストを用いたアプローチ方法の検討―2021

    • 著者名/発表者名
      三好智子・後藤伸彦・藤川洋子
    • 雑誌名

      CAMPUS HEALTH

      巻: 58(2) ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 大学生における発達特性に対応した学びのデザインの探索的検討 ―発達特性と関連した困り感とオンライン授業のメリット・デメリット認知の関連からー2021

    • 著者名/発表者名
      三好智子・後藤伸彦・藤川洋子
    • 学会等名
      日本LD学会第4回研究集会
  • [学会発表] 自殺予防の視点からみた自閉スペクトラム症のある学生の支援2020

    • 著者名/発表者名
      三好智子
    • 学会等名
      第58回全国大学保健管理研究集会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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