研究課題/領域番号 |
19K02967
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
久保山 茂樹 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, インクルーシブ教育システム推進センター, 上席総括研究員 (50260021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インクルーシブな保育 / インクルーシブ教育システム / 幼稚園 / 認定こども園 / 保育所 / 共生社会 / 特別支援教育 / 障害児保育 |
研究実績の概要 |
本研究は、障害がある幼児と障害がない幼児が、幼稚園等において、ともに生活するための諸条件を、保育者の視点と幼児の視点の双方から総合的に、かつ、 具体的に明らかにし、その成果を幼稚園等の保育現場等が活用できる形で還元しようとすることを目的としている。この目的達成のため、障害がある幼児が、3歳児クラスへの入園から5歳児クラスからの卒園までの3年間、障害がない幼児との関係性をどのように構築するのか、その結果、双方の園生活がどのように変化するかを継続的に観察、分析する計画であった。 2022年度も、新型コロナウイルス感染症に対する慎重な対応が必要であり、幼稚園等保育現場への訪問は限定的にせざるを得なかった。このような中ではあったが、A市教育委員会幼児教育センターの研究事業と連携しA市立幼稚園と「インクルーシブな保育の<教師間の連携>と<援助の工夫>を探る」をテーマとした研究に取り組むことができた。1年間の研究を通して、インクルーシブな保育とは、支援が必要な子どもも、まわりの子どもも育つ保育である、換言すると、一人ひとりの子どもが大切にされる保育であり、できないことの改善よりも、子どもの手持ちの力で、いまここで、できていることを認め、豊かにする保育であると言える。そのためには、得意を生かし、幼児期から自己肯定感を育むこと(特に、支援が必要な子どもの得意が、まわりの子どもに伝わることが重要)、まわりの子どもが育つこと(特に、まわりの子どもが、葛藤も経験し解決する経験を経て関係性が育つことや、保育者の姿がまわりの子どもに映り、移っていくことが重要)が大切であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訪問調査による保育場面の観察及び分析を計画していたが、新型コロナウイルス感染症対応等もあり、十分に訪問調査が実施できなかった。また、保育現場のICT環境等の実態から、リモートによる情報収集や協議の実施も困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
訪問調査による保育場面の観察や分析は、本研究遂行上不可欠である。今後、保育現場の協力を得ながら、訪問調査を継続していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでに十分に実施できなかった訪問調査の実施するため、旅費として使用する計画である。また、訪問調査の本格実施に向け、必要な機器について購入する計画である。
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