最終年度となる本年度は、昨年度において研究計画の変更を行った学習管理システム(LMS)に対し,オンデマンド型講義を受講中の学生に対し視聴時の顔画像が取得し,その結果にもとづきプログラミングに対する理解度を測定できるシステムに対するシステム開発を行った。実際の授業での利用という観点では、新型コロナ感染症の影響の緩和により、講義自体が対面形式が主体となったため実現には至らなかった。一方で、仮想的なオンデマンド講義を視聴している状態でのデータ取得は行えるため、実際の講義とは別に、どの程度手法の有効性があるかの実験を行った。 実験の結果から講義内容の理解に対し、ある程度の表情に変化が表れることが確認されたが、多くの被験者を対象とし行った場合に、同傾向の結果が得られるのか、という点に関しては現在まだ評価を行っている途中である。また、情動反応としてのモデル化という点では、どのような表情変化が理解度と連動しているかという点について、対面である場合、オンデマンドである場合の差というものを考慮する必要があると考えられ、引き続き検討を続ける。 研究方針の大幅な変更があったため、本年度中の対外的な研究成果の報告には至っていないが、研究期間終了後にも引き続き本手法についての検討を進め、その有効性について報告を行う予定である。また、当初の研究計画であった講義中のリアルタイムな情動反応取得についても、今後はマスク着用の制限が無くなり、再度挑戦できる可能性が高いため、引き続き本研究の一環として行っていく。
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