研究課題/領域番号 |
19K02978
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
塚本 容子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (20405674)
|
研究分担者 |
小松川 浩 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (10305956)
杉浦 真由美 札幌医科大学, 医療人育成センター, 講師 (10829899)
石角 鈴華 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (40834081)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 異分野連携 / イノベーティブ / 医療課題解決 / 人工知能 |
研究実績の概要 |
昨年度に関しては、新型コロナウイルスの関係で、計画した内容について実施が難しい時期も生じた。しかし、対面ではなくオンラインで実施できることについてはオンラインで進めていった。 今まで取り組んだ成果について、実際に研究としてまとめることができた。本研究内容では、異分野新しい課題解決に臨む、そしてイノベーティブな解決方法や課題に取り組むことで、人材育成を目標としている。本取組みに参加した、大学院生2名(情報系の学生)が学会発表を2件行った。その内容は、AI(人工知能)を使った医療的課題の解決である。一つ目は、「機械学習を活用した患者に最適なストーマ装具の分析」である。こちらはAIの分析方法の一つである機械学習を用いて、ストーマ(人工肛門)に用いる装具AIで選択することを試みた。ストーマ装具は、面板(腹部に貼る部分)とストーマ袋(排せつ物をためる袋)の2つを指し、各会社から様々なものが販売されている。その組み合わせは200種類以上となり、患者に適切な装具を見つけることは難しい。そのため、本研究では一つの会社に絞りAIがどの程度選択できるのかを調査した。もう一つの研究は、入院した患者のせん妄の予測についてである。患者がせん妄を起こすことで、転倒や医療事故につながる。あらかじめ予測をして対応策を講じることが重要である。既存の研究でもせん妄の予測は、一般的な統計学の手法で調査されてきたが、今回AIを用いて分析を試みた。以上の学会発表の内容を基盤とし、継続して、サンプル数を多くして調査を行った。その成果は、2名の別の大学院生が修士論文としてまとめ、提出した。異分野の学生が協力して医療課題に継続して取り組み、医療課題については医療系の学生が課題を見出し、情報系の学生とその課題について検討した。以上から、異分野の学生が協働してどのように課題解決を行うのか、その一つのモデルを見出すことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスに感染拡大により、大学における講義を開催することが難しくなり、本研究の主題である異分野連携のプロジェクトを進めていくことが難しかった。結果、この採択課題については、2度延長申請を行った。昨年度はオンラインを活用し、プロジェクトを進めていき、昨年度行う必要があった内容については実施することができた。しかし、これまでの遅れがあるため、計画を延長せざる得なかった現状がある。具体的に問題となったのは、医療課題解決のためのプロジェクトについて何を行う必要があるのか、データ収集内容について決まっていた。しかし、実際に医療施設でのデータ収集が必要であり、新型コロナウイルスの感染拡大のため、データ収集が難しい状況があった。そのためデータ収集が遅れ、計画通りに進めることができなかった。昨年度は、工夫しながらもデータ収集を行うことができ、一昨年年度の内容プラス進捗はあったが、本研究課題で提示した当初の予定通りまでには進めることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後については、昨年度で進められることができた内容を発展的に取り組み、当初の予定していた内容について、進めていく。また、昨年度はオンラインを活用してプロジェクトを進めていくことができたので、それを継続して行う。新型コロナウイルスの状況が落ち着いたため、データ収集に関しては、医療機関における感染対策に配慮しながらも、進めていくことができると考える
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、延長申請を行っている。科研費を応募した当初の研究計画から大きく変更せざる得ない状況があったため。 使用計画に関しては、本年度の感染状況が見通せない部分もあるが、当初予定したデータの収集等の交通費や印刷などに使用する。
|