| 研究課題/領域番号 |
19K02979
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| 研究機関 | 東北学院大学 |
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研究代表者 |
志子田 有光 東北学院大学, 工学部, 教授 (00215972)
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| 研究分担者 |
淡野 照義 東北学院大学, 工学部, 教授 (50176004)
森島 佑 東北学院大学, 工学部, 講師 (40734132)
鈴木 順 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (00639255)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 遠隔授業 / インフォーマル学習 / オンラインラボ |
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| 研究実績の概要 |
本研究では, インフォーマル学習, 自発的学習等に着目し, 情報系カリキュラムを履修する学生に特化した実験・実習支援システムの教材と環境の開発と実装・評価を行ってきた.
今年度はデータサイエンス系学生の電子系実習の実態調査と教材作製に関する検討を行い, 実態調査結果から学生が課題を克服できる実践的な教育をするために, 教材にどのような内容を盛り込まなければいけないか考察し, (1)様々な素子のデバイス特性を幅広く知ってもらうために動作するのに必要な電圧や電流が大きく違う発光素子, 受光素子, アクチュエータ等の様々な特性を有するデバイスを盛り込んだ教材が必要であること, (2)回路を動作させるために必要なパラメータの検査方法を講義し理解してもらうこと, (3)1種類だけのマイコンを取り扱うのではなく異なる機能を有する多くの種類のマイコンを実装した教材が必要という点を見出した. しかしながら, 課題の解決策を見出すうちに, 電圧や電流といったより基本的な部分の理解不足が, その応用となるセンサの入力特性やLED・モータへの出力特性を理解できない要因となっていることが明らかになった. そこで, 本研究では電圧電流特性を「測る」という点を重視して教材開発を行うことにし, その学習達成度をルーブリックによって評価することにした. ルーブリックの作成とともに教材を開発し, 現状は情報系カリキュラムを履修する学生および基準とする電子工学系・情報工学系カリキュラムを履修する学生による教材の評価を行わせ内容の改善検討を加えた.
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データサイエンス系学生の電子系実習の実態調査と教材作製に関する検討を行い, 情報系カリキュラムを履修する学生に特化した実験・実習支援システムの教材の骨子を決定し, 教材を作成するとともに, 学生の学習達成度に関してのルーブリックの作成を行い, 大学生（情報系カリキュラムを履修する学生）と, 高専生（エレクトロニクス系カリキュラムも履修している学生）に教材の評価を行ってもらった.
現状は評価データの整理を行い, より最適な教材作成に向けて検討している段階である. しかしながら今年度はCovid-19の影響で, 学校の閉鎖期間が長く, 遠隔授業で登校する学生の数が少なかったため, 評価者の数が少ない問題点が発生した. これに加え, すべての正課カリキュラムにおいて, 遠隔授業を基本とした授業運営に修正を余儀なくされたため, 学生においては, 従来の予習復習に加え, 時間外に完了しなければいけない課題の提出が多く求められるようになり, 本研究における教材評価の協力者等の確保がやや難しい状態が続いている. そのため,教材評価体制の軽微な修正をしなければいけない. 新たな課題が発生した項目もあるため，この点に関する達成度については「やや遅れている」との判断をした. 一方で, 規模を縮小した教材の評価実験などは順調に行なわれており, 現在分析と次年度の検証等に向けた準備を行っている.
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| 今後の研究の推進方策 |
今後, 本研究では本来の目的に従い以下の3点を目標に, IoT技術の理解を促進させるための, 基礎的なエレクトロニクス技術に対する学生の理解を助長する教材の開発・評価に注力し, 研究を進めていく予定である.
１）情報系学生に対象を特化した教材研究を行うこと.
２）新型コロナウイルス感染症拡大に鑑み, 自律的・自立的な課外実験を想定した教材研究を行うこと.
３）近年の学生の多様化に対応し, グループワークを好む学習者には学内における課外実験を行う環境と教材の提供を目指し,コンパクトな自宅実験環境についても開発と提供・実践評価を行うこと.
その後, 評価項目の細分化や見直しを行った上で, 社会的に求められているIoT機器の使用方法等の知識に結び付けられる教材を開発するために自宅で学生一人でも実習を可能にするための実習説明資料等の作成を行い, 他の教育機関への展開を踏まえた学習教材に仕上げていく予定である. 具体的には, 現状のIoT機器および出力されるデータの種類やそのデータを整理する方法などを調査し, 今年度取り組んだ電圧や電流を「測る」というところから学生がデータを取得できる環境構築までを説明資料として作成していき, 教材パッケージの構築を行っていく予定である. マイクロコントローラに関する知見や, IPプロトコル等に関する知識と技術を養生するカリキュラムについてはプロトタイプを2タイプほど開発し, 情報系カリキュラムの中で実装済みであるため, これらの再評価も行う計画である.
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由については, 2020年度はCovid-19の影響で, 学校の閉鎖期間が長かったことに加え, 対面授業の実施が禁止されたことから, 遠隔授業の導入に伴い学内への通学者が極端に少なかったことに加え, 自宅学習においても, 遠隔授業の性質上多くの課題が課せられたため, 正課外学習に取り組む時間を確保することが困難な状況が続いたことから, 本研究における教材の評価協力を行うアルバイト学生の確保が極めて困難であったことと, 学会出張旅費としての使用ができず, 特に計画していた国外学会への渡航参加なども大学から禁止されたことから, これらに係る予算の消化ができなかったことに起因する. 2021年度については同様の今日が継続されることが予想されるため, 研究の方向性に修正を加え, AIアルゴリズム等を導入した教材分析手法の開発などを行うことを計画しており, これに必要となる専用コンピュータの導入や, Covid-19感染拡大の収束の様子を注視し, アルバイト学生を動員した教材評価作業等を再開する予定である. 教材の改良等にも予算を充てる予定である. また, これらの成果はオンラインを含めた学会等への参加において報告する予定であり, それらの参加費として支弁する予定である.
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