研究課題
マンガという媒体を使うことは特に初学者に対してインプットする道具として使われてきたが、むしろアウトプットを出すための素材としての特徴を捉えることを目標に研究した。この過程において、統計的な教育に対する刺激素材としてのマンガを作成し実施した。その結果、考える指向、議論の指向を促す方式として機能しているのではないかと仮説をたて、教育実施前の教員に対して実施する教室運営イメージをわかせ、検討をする素材としての検討を行った。その結果、描かれていることに関しては議論が十分に機能しているが、描いて入るものの陽に見せていないとその検討が不十分であることがわかった。そこで、陽に見せる効果としてセリフに書くことを取り上げて、マンガだからこそのストーリー部分と、教材として機能する成就部分とがあり、そのどちらの分量の比がどのようになるとよく情報を伝達できるのかという課題に取り組んだ。その結果、ストーリー部分は比率的に下げても十分理解されるし、実験協力者のアウトプットには影響がない、むしろ、全体のセリフの量をある程度減らしたほうが良いのではないかということがプレ実験から示唆された。さらに、対話を行うときのマンガのキャラ設定にも情報の開示のし易さに影響があるのではないかと考え、問診を行うコンピュータエージェントのキャラに特定して調査を行った。問診は対話を行うことが必須であるが、対話対象者が話しやすく、対話しやすい、また機微情報であっても開示しやすいということを調査する状況設定に適しているからである。その結果、キャラの設定により情報の開示に差があることがわかった。また、これらの研究に関連して、アスリートに対する実験においてもマンガで自発的に討議ができることを確認したり、中高生においても意見を引き出せることが、いくつものアウトリーチ活動でも得られた。
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