研究課題/領域番号 |
19K03000
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
清光 英成 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20304082)
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研究分担者 |
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学習過程の評価 / プログラミング教育 |
研究実績の概要 |
プログラミング教育においては,プログラミング中に学習者が陥っている問題をいち早く発見し,適切なアドバイスをすることが求められる.学習者の状況を教員がタイムリーに把握できれば,助言やプログラムのチェックを行うタイミングを見つけるなど,より適切な学習指導に結びつけることができる.しかしながら,これらはクラスの規模に制約を課すとともに,非常にコストのかかる作業でもある.本研究では,ソースコードを精読することなく,ソースコードと診断情報の量的変化を分析することでプログラミング過程における課題を発見し,教員の適時的かつ効果的な指導を支援するためのプログラミング開発過程分析・評価手法の開発を目的とする. 2019年度は,100名規模のプログラミング未経験者にJavascriptを教授する演習において,学習者のソースコードを40秒間隔でスクレイピングする学習過程の評価支援システムを構築ならびに学習過程の評価指標の検討を行った. プログラミング基礎演習における課題のメタデータを分析することでコードを精読せずとも演習課題の過程を評価できる可能性について検討した「プログラミング演習課題の過程評価のための評価指標の検討」(https://db-event.jpn.org/deim2020/post/proceedings/papers/I1-3.pdf) 学習者のソースコードを40秒間隔でスクレイピングする学習過程の評価支援システムを構築「プログラミング学習における演習課題の過程評価支援システムの開発」(https://db-event.jpn.org/deim2020/post/proceedings/papers/I1-4.pdf)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画を①ソースコードと診断情報を収集するシステム開発,②提案方式の妥当性と特性評価,③修得されるプログラミング能力の特性による開発過程の差異,④各分野のソフトウエア開発者のプログラミング能力の特性評価,⑤実験で用いる例題を評価するためのコンテンツ開発,5つに大分した. ①については,提案する評価手法がどのような状況を評価できるかを検討するための情報収集システムを構築し,実験を行った.また,プログラミング基礎演習における課題のメタデータを分析することでコードを精読せずとも演習課題の過程を評価できる可能性について検討した.これは,②のうちの妥当性評価にあたる. ⑤について,学習課題・例題作成のための問題オーサリングの検討をおこない,「Question Authoring for Learning Programming Skills based on the Programmed Visual Content Comparison Method」Proc. of IEEE TALE 2019, pp. 614-619, YOGYAKARTA - INDONESIA(http://tale2019.org/)として公開している.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を①ソースコードと診断情報を収集するシステム開発,②提案方式の妥当性と特性評価,③修得されるプログラミング能力の特性による開発過程の差異,④各分野のソフトウエア開発者のプログラミング能力の特性評価,⑤実験で用いる例題を評価するためのコンテンツ開発,5つに大分した. ①については,Javascriptソースコードに加えてHTMLの編集情報を収集するシステム開発とデータ収集を行い,大学の演習データを収集する.②については,可能性を示すことができたので引き続き妥当性の評価を進めるとともに特性評価に着手する.③についてはデータの蓄積具合によりが2020年度中に着手する.④については,新型コロナウイルス感染症の収束を見て,改めて協力企業を探す.⑤については,①②③と並行して行い,①②③のいずれかの進捗が思わしくない場合に重点的に行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった研究会などが,新型コロナウイルス感染症が急激に拡大する状況に鑑み会議場に於ける開催を中止したため,旅費の執行が計画通り行えなかった.また,備品の調達も納品が年度内に間に合わず,執行が次年度となったがすでに納品され執行した.
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