研究課題/領域番号 |
19K03004
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上田 真太郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10823445)
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研究分担者 |
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 准教授 (20452758)
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 助教 (50644796)
清水 周次 九州大学, 大学病院, 教授 (70274454)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国際遠隔医療教育 / 早期胃癌診断 / 画像品質 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本人内視鏡医と連携して早期胃癌診断に必要な最低限の内視鏡画像品質を定め、国際遠隔医療教育を通じてその有効性を実証し、円滑かつ質の高い、早期胃癌に関する国際遠隔教育を提供するための内視鏡画像品質の基準策定を目的としている。 3年間の研究スケジュールを「準備」、「基準策定」、「実証」の3つのフェーズに区分しており、本年度は「基準策定」フェーズの以下を実施した。 実臨床で撮影された早期胃癌の内視鏡画像を元画像とし、解像度やビットレートを変更し品質を劣化させた画像を作成した。解像度はハイビジョン(1440*1080)、WXGA(1024*768)、SVGA(800*600)、QVGA(320*240)の範囲で劣化させた。ビットレートは、遠隔会議システムが使用する帯域や海外から国際遠隔医療教育カンファレンスに接続する施設のネットワーク帯域幅を参考に、4Mbps、2Mbps、1Mbps、512Kbps、256Kbpsの範囲で劣化させた。分担者(内視鏡医)である森山智彦と打ち合わせを重ね、内視鏡画像品質の劣化度の確認・変更、検証時に用いる画像の選定と内視鏡医に対する質問項目の設定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究機関における新型コロナ感染拡大予防策により在宅勤務の機会が増えたため、本研究を実施する時間が大幅に削減された。本研究は研究機関に設置している専用端末を用いて内視鏡画像に含まれる個人情報の削除や画像品質の加工といった作業が必要だが、在宅勤務ではこれらの作業が困難であったため、研究全体にやや遅れが発生している。 今年度実施予定であった、多数の日本人内視鏡医による品質を劣化させた内視鏡画像の主観的評価は令和3年4月末に実施予定で、その結果に基づいて5月には基準策定を完了させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
早期胃癌の診断に必要な内視鏡画像品質の基準策定を完了後に国際遠隔医療教育カンファレンスを実施し、研究施設から参加者へ配信された内視鏡画像を用いて、症例の検討が十分に行えるかを実証する。当初は、国際遠隔医療教育カンファレンスの外国人参加者への説明と協力依頼は主研究者である上田が海外の施設に赴いて行い、自身でテレカンファレンスを録画してテレカンファレンスにおける内視鏡画像の品質を評価することを予定していた。しかし、現状では海外出張の可否について見通しが立たないことから、オンラインでの研究実施を想定して以下のいずれかの方法での評価を検討している。①パソコンにインストールされているソフトウェアキャプチャ機能を用いてテレカンファレンスを録画する、②一般的なデジタルカメラでカンファレンスの様子を映し出しているモニターを撮影・録画する。①はPCの情報処理に関する負荷が増加するため、カンファレンスそのものへの妨げにならないように配慮する必要がある。②の場合は三脚を用いて撮影カメラを固定し、フォーカスがモニターに合っていることを確認する必要がある。いずれの方法も、国際医療教育テレカンファレンスへの参加者に録画をしてもらう必要があるため、オンラインで本研究への協力依頼を行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、今年度予定していた海外出張がすべてキャンセルとなり、国内外の学術集会はすべて中止またはオンライン開催となったため、今年度はオンライン参加費のみを計上した。 次年度中に海外出張が可能になった場合は予定通り、基準策定後の実証として国際遠隔医療教育カンファレンスを海外で立ち合ったうえで録画し、症例の検討に十分な画像品質が転送されているかを確認する。
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