本研究は、多様な学習背景を持つ大学生の学修理解度向上と継続的な学修支援を可能とする手法の構築を目指したものである。2019年度にはAIを利用したシステム開発やクラウド技術を学ぶための教材を開発した。また、プログラミング入門者の学修成果をクラスタ分析によって解析し、その特徴について検討した。2020年度には、AIによる画像認識、スマートスピーカー用アプリ開発、ライントレース用ロボットの制御プログラム開発の教材を作成し、学生の理解度に応じて学習を進める仕組みを構築した。これにより、全学力層の学生の満足度が高く、学習テーマに対する興味喚起も可能とした。さらに2021年度には、Moodleを用いて学生の理解度と成績予測に向けたデータ収集と分析を進めた。これらの取り組みを通じて、学部1年から3年生に対してプログラミング教育やシステム開発教育を行い、その実用性と教育効果を検証した。また、得られた知見を小学生向けのプログラミング教室開催に活用し、研究成果の活用の場を拡げた。2022年度は、実課題を解決することを対象とした研究テーマを設定し、その開発を通して、ウェブアプリケーション開発、サーバ構築・運用技術、スマートフォン活用について学ぶことのできる教材を作成した。以上の成果は、多様な学習背景を持つ大学生の学修理解度向上と継続的な学修支援を実現するために教育課程に組み込み、その成果を継続的に検証している。
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