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2019 年度 実施状況報告書

探究スキルの系統的育成を支援するマネジメントシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K03009
研究機関東北学院大学

研究代表者

稲垣 忠  東北学院大学, 文学部, 教授 (70364396)

研究分担者 後藤 康志  新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40410261)
松本 章代  東北学院大学, 教養学部, 准教授 (40413752)
豊田 充崇  和歌山大学, 教育学部, 教授 (60346327)
泰山 裕  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90748899)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード探究 / 情報活用能力 / カリキュラムマネジメント / 資質・能力 / システム開発
研究実績の概要

2019年度の目的は、①探究プロセスにおいて必要とされる探究スキルの明確化、②探究スキルの要素および系統を整理した初期モデルを構築する、③ウェブ上のマネジメントツールに関してはシステムの基本要件を定義するの3点だった。
①については、高等学校学習指導要領の探究系科目に関する記述内容の分析を試みた。その結果、探究プロセスとして「課題設定」「情報収集」「整理・分析」「まとめ・表現」に加え「発表・発信」「振り返り」のプロセスを得ることができた。さらに、小学校・中学校における総合的な学習の時間の記述、情報活用能力の体系表における「問題解決・探究における情報活用」領域と関連づけたプロセスモデルを構築することができた。
②については、各自治体で作成されている情報活用能力の体系表に関する調査を行った。その結果、情報活用能力の3観点8要素、資質・能力の3つの柱など、体系化の軸となる視点はいくつかあり、対象とする学習活動プロセスとして「調べる・まとめる・つたえる」といった段階を共通要素としていることが明らかになった。さらに、小学校の総合的な学習の時間の授業映像を分析した結果、探究的な学習を円滑に進めるには特に,メディアの特性に関する知識や情報を整理・分析する知識・技能の習得が必要であることが明らかになった.
③については、大学のカリキュラムマネジメントツールをもとにその設計要素を検討した。その結果、カリキュラムマップによる可視化、パフォーマンス評価を実施する機会の設定とその結果に基づくマネジメントといった手法が示された。一方でウェブ上でパフォーマンス評価に用いるルーブリックを作成・共有するシステムの改良を行い、文章作成支援に関する一定の知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要の通り、当初設定していた3つの目標それぞれについて十分な進捗をみることができた。
①に関してはスキルの特定だけでなく、探究のプロセスの捉え方を深化させることができた。
②については、各地の体系表の調査や主に総合的な学習の時間に関する分析の結果、系統の軸をどう捉え、どのような要素があるのかを示すことができた。
③については、高等教育における既存のシステムとその運用形態の考察をもとに基本要素を得ることができた。

今後の研究の推進方策

2020年度は以下の3点に取り組むことを予定している。
①および②については、小学校段階の教科書記述に関する調査研究を行い、初期モデルを改善する。
②ウェブ上のシステムのプロトタイプを使用したカリキュラム・マネジメントを進める際のデモンストレーション環境を構築する。
③学校現場教員を対象にツールを用いたマネジメント体験とヒアリングを行い、ユーザビリティの改善と実証計画の具体化を行う。

次年度使用額が生じた理由

3月に実施を予定していた研究成果に関する現職教員対象のセミナーが新型コロナウィルスのためオンライン開催となり、旅費、会議室使用料、消耗品費を使用しなくなったため。
2020年度もフィールド調査、学会発表等、制約を受けることが予想されるが、研究活動に支障のないように実施方法、使途を検討して対応する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 探究学習の基盤となる情報活用スキルの概念構成に関する一考察2020

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠,後藤康志,豊田充崇,松本章代,泰山裕
    • 雑誌名

      日本教育メディア学会研究会論集

      巻: 48 ページ: 13-16

  • [雑誌論文] 情報活用能力をどのように育成するのか2020

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠(2020) ,2020年5月号, 48-54
    • 雑誌名

      教育展望

      巻: 5月号 ページ: 48-54

  • [雑誌論文] 「情報活用」と探究する学びのデザイン2020

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠
    • 雑誌名

      学習情報研究

      巻: 1月号 ページ: 26-27

  • [雑誌論文] 深まるプロジェクトをデザインする2019

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠
    • 雑誌名

      国語教育

      巻: 839 ページ: 16-19

  • [学会発表] 総合的な学習の時間において発揮された情報活用能力の分類2020

    • 著者名/発表者名
      土井国春,中西奈菜,石原浩一,泰山裕,石井芳生,大本秀一,遠衞孝成
    • 学会等名
      日本教育工学会2020年春季全国大会
  • [学会発表] 文章作成支援機能を備えた「ルーブリックバンク」の開発2020

    • 著者名/発表者名
      福村 拓也, 松本 章代, 豊田 充崇, 後藤 康志, 稲垣 忠
    • 学会等名
      2019年度 情報処理学会東北支部研究会
  • [学会発表] 探究学習の基盤となる情報活用スキルの検討2019

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠, 後藤康志, 豊田充崇, 松本章代, 泰山裕
    • 学会等名
      第45回全日本教育工学研究協会全国大会
  • [学会発表] NADモデルに基づくPBL単元の設計研修プログラムの開発と評価2019

    • 著者名/発表者名
      稲垣 忠, 室中 直美, 豊田 充崇, 後藤, 康志, 松本 章代, 泰山 裕
    • 学会等名
      日本教育工学会2019秋季全国大会
  • [学会発表] 情報活用能力育成におけるカリキュラムマネジメント手法の検討2019

    • 著者名/発表者名
      後藤康志・稲垣忠・豊田充崇・松本章代・泰山裕
    • 学会等名
      日本教育メディア学会第26回年次大会
  • [学会発表] 「情報活用能力」育成のための「体系表・系統表」の調査分析2019

    • 著者名/発表者名
      豊田充崇、稲垣忠、後藤康志、泰山裕、松本章代
    • 学会等名
      日本教育メディア学会第26回年次大会
  • [図書] 探究する学びをデザインする!情報活用型プロジェクト学習ガイドブック2020

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠
    • 総ページ数
      136
    • 出版者
      明治図書出版
  • [備考] つくろう!情報活用型授業

    • URL

      https://ina-lab.net/special/joker/

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公開日: 2021-01-27  

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