• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

探究スキルの系統的育成を支援するマネジメントシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K03009
研究機関東北学院大学

研究代表者

稲垣 忠  東北学院大学, 文学部, 教授 (70364396)

研究分担者 後藤 康志  新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40410261)
松本 章代  東北学院大学, 教養学部, 教授 (40413752)
豊田 充崇  和歌山大学, 教育学部, 教授 (60346327)
泰山 裕  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90748899)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード探究 / 資質・能力 / 情報活用能力 / カリキュラム・マネジメント / システム開発 / 教員研修
研究実績の概要

本研究の目的は次の4点である。1) 探究プロセスにおいて必要とされる探究スキルの明確化、2)小学校から高等学校までの系統を各教科・領域、情報活用能力と関連づけて整理、3)ウェブ上のマネジメントツールの開発、4) 探究スキルの系統的な育成方法の明確化。2022年度は、目的1)および2)について、小中学校における各教科と情報活用能力と関連づけた整理を行った。また、小中学校教員を対象としたインタビュー調査から、開発した系統は一定の妥当性をもつことが確認された一方、教師の指導意図、授業観によって期待するレベルは上下し、カリキュラムとの整合性をとることが難しい場合があることが示唆された。目的3)については、開発したシステムを仙台市内の小中学校各1校に導入し、実際の運用とともに、教員研修プログラムを開発し、システムおよび実践の評価を行った。その結果、システムを用いた教員研修は肯定的に評価され、特に小学校では児童の実態や教育課程をデータに基づいて可視化できた点、中学校では教科横断で教育課程を考える必要性について理解が深まった等の成果を得た。目的4)については、小学校で独立教科として情報に関するカリキュラムを開発した学校との実証、総合的な学習の時間のキャリア教育と関連づけて育成を試みた実践の開発と実証を行った。また、全国の小中学校に対する情報活用能力の育成状況に関する調査からは、研修およびカリキュラムマネジメントの評価・改善に関する課題があることが示された。以上の成果から、本研究が目指すカリキュラムマネジメントシステムの開発は実用段階を迎えたと評価できる。しかし、年間を通じた実証の未実施、各学校での安定的な運用を支援する仕組みの整備等は課題である。また、カリキュラムマネジメントを実施することによる授業の変容を明らかにし、育成方法の検証を進めることも今後の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要の通り、当初設定していた4つの目標それぞれについて一定程度の進捗をみることができた。 当初の計画以上の進捗、十分に対応できていない部分の両面がある状態である。
1および2に関しては、小中学校段階の精査とともに、インタビュー調査を通した実際のカリキュラム運用上の課題整理を行うことで、システムを運用していく上での新たな知見を得ることができた。しかしながら、高校段階については、教科書情報の収集とカリキュラムをシステム上で可視化する上での課題点の整理にとどまっている。
3に関してはシステムの実運用とあわせ、データの可視化手法についても新たな提案を追加したシステムとして構築が進捗しており、当初の計画以上の進捗を見せている。一方、より汎用性の高いシステムへと改善していく上で追加の開発範囲について検討が必要な段階である。
4については各地での研修の実施と特に小学校との実践開発を通して一定の知見を得ることができている。

今後の研究の推進方策

2023年度はポストコロナの実証環境として、オンラインと対面の両方で学校現場への授業開発の助言、システムの運用に関するガイダンスを行っていく。特に高校段階のカリキュラム運営に関してはインタビュー調査を行い、システム上にカリキュラムを構築する際の課題点について明らかにする。システム開発に関しては、複数校において安定的な運用に耐えうるユーザインターフェース、データのマネジメントができるよう改良を行う。指導法については、各学校現場における実証・研修プログラムの実施を通して知見を整理する。
以上の内容に取り組み、本研究課題の最終年度として成果を整理・発表していくことを予定している。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により出張による調査・学会発表等の一部が現地からオンラインになったため。最終年度では、現地調査、対面での学会発表が中心となる。また、大学のキャンパス移転に伴い、サーバの設置環境が変更になったため、物品費が発生する。なお、年度末に研究成果について報告するセッションの開催を予定しており、これらに充当する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 5件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 教師の指導意図と情報活用カリキュラム2023

    • 著者名/発表者名
      後藤康志, 稲垣忠, 豊田充崇, 松本章代, 泰山裕
    • 雑誌名

      日本教育メディア学会研究会論集

      巻: 54 ページ: 49-54

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 情報技術・情報社会に主体的に関わる児童の育成 -サービス・イノベーション体験に基づくプレゼンテーションを通して-2023

    • 著者名/発表者名
      菅原 弘一, 稲垣 忠, 佐藤 優衣, 石井 里枝
    • 雑誌名

      日本教育メディア学会研究会論集

      巻: 54 ページ: 38-42

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] カリキュラムマネジメントシステムを活用した 校内研修プログラムの開発2023

    • 著者名/発表者名
      稲垣 忠, 松本章代, 豊田充崇, 後藤康志, 泰山裕
    • 雑誌名

      日本教育メディア学会研究会論集

      巻: 54 ページ: 43-48

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教科横断型のスキルの育成状況を可視化するカリキュラムマネジメントシステムの開発,2023

    • 著者名/発表者名
      小笠原歩夢, 松本章代, 後藤康志, 豊田充崇, 泰山裕, 稲垣忠
    • 雑誌名

      教育システム情報学会2022年度第6回研究会研究報告集

      巻: 37(6) ページ: 54-60

  • [雑誌論文] 情報化優良校を対象とした情報活用能力の認知および指導状況に関する調査2023

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠, 中川一史, 佐藤幸江, 前田康裕, 小林祐紀, 中沢研也, 渡辺浩美
    • 雑誌名

      日本教育メディア学会研究会論集

      巻: 53 ページ: 30-35

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「情報活用能力の育成」を目指した単元系統表及びルーブリックの開発2022

    • 著者名/発表者名
      宇治田 乃, 豊田 充崇
    • 雑誌名

      和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究

      巻: 7 ページ: 117-121

    • DOI

      10.19002/AA12779311.7.117

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 情報技術・情報社会に主体的に関わる姿勢を育む授業の開発-企業等との連携を図った授業づくりを通して-2022

    • 著者名/発表者名
      菅原 弘一, 稲垣 忠, 佐藤 優衣, 石井 里枝
    • 学会等名
      日本教育メディア学会 第29回 年次大会
  • [学会発表] 中学校におけるデータに基づいた情報活用能力の カリキュラムマネジメントの試み2022

    • 著者名/発表者名
      稲垣 忠, 齋藤 暢
    • 学会等名
      日本教育メディア学会 第29回 年次大会
  • [学会発表] 分散配置と貸出管理を支援する図書システムのデザインと評価2022

    • 著者名/発表者名
      榊原 央, 三宅 貴久子, 稲垣 忠
    • 学会等名
      第48回全日本教育工学研究協議会 全国大会
  • [学会発表] 情報活用能力の育成状況の可視化に関する調査2022

    • 著者名/発表者名
      稲垣忠, 松本章代, 泰山裕, 後藤康志, 豊田充崇
    • 学会等名
      第48回全日本教育工学研究協議会 全国大会
  • [学会発表] 情報活用能力の育成を目指したモジュール型情報学習の効果2022

    • 著者名/発表者名
      荒谷達彦, 稲垣忠
    • 学会等名
      第48回全日本教育工学研究協議会 全国大会
  • [学会発表] 系統性を意識した情報活用能力の育成とその評価方法2022

    • 著者名/発表者名
      宇治田乃,豊田充崇
    • 学会等名
      第48回全日本教育工学研究協議会 全国大会
  • [図書] 探究する学びをステップアップ! 情報活用型プロジェクト学習ガイドブック2.02022

    • 著者名/発表者名
      稲垣 忠
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      明治図書出版
    • ISBN
      978-4183242273
  • [備考] つくろう!情報活用型授業

    • URL

      https://ina-lab.net/special/joker/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi