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2021 年度 実績報告書

図的表現を用いた思考トレーニングによる空間的知能への影響およびその客観的評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K03017
研究機関同志社大学

研究代表者

杉尾 武志  同志社大学, 文化情報学部, 教授 (60335205)

研究分担者 小川 健二  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (50586021)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード図的表現 / 大域的読解
研究実績の概要

読みに関する先行研究において、眼球運動データが読みのスキルに伴う処理過程の違いを反映することが明らかにされている。こうした知見をふまえ、図的表現に対する読解を客観的に評価するための指標として眼球運動がどの程度利用可能であるかについて検討を行った。視覚刺激全般において、刺激の制作側の意図と観察側の理解の差異が眼球運動における何らかの特性に反映されるとすれば、図的表現に対する大域的読解の関与をその特性を表す指標を用いることで客観的に定量化できる可能性がある。課題では視覚刺激として、同じテーブルマジックを初心者と熟達者が実演した動画を用いた。同じマジックであっても手順通りに実行するだけの場合と、意識的に観客の注意を誘導するための手法であるミスディレクションをおこないながら実行する場合では眼球運動のパターンに違いが生じることが考えられる。こうした眼球運動パターンの局所的および大域的な違いをKrejtzら(2016)が定義したκを用いて定量化することで有効に評価できるかどうかについて検討をおこなった。同じマジックを経験者が実演した動画をみる条件と初心者による条件に参加者を割り当てて、3種類の動画を見ている際の眼球運動をTobii Proフュージョンを用いて計測した。その結果、初心者による実演を見ている際には大域的な眼球運動モードが優勢であったのに対して、経験者による実現の場合は局所的な眼球運動モードが多くみられた。事後アンケートでは、実験参加者は初心者と経験者を有意に識別できていなかったことから、こうしたトップダウン的な要因が必ずしも意識的に働いているわけではないことが明らかにされた。こうした結果は、図的表現を含む視覚刺激に対する注意の誘導効果が、眼球運動のパターンとして反映されることを示しており、図的表現に対する大域的読解の関与の評価手法として有効であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Neuroimaging Examination of Driving Mode Switching Corresponding to Changes in the Driving Environment2022

    • 著者名/発表者名
      Ohata Ryu、Ogawa Kenji、Imamizu Hiroshi
    • 雑誌名

      Frontiers in Human Neuroscience

      巻: 16 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fnhum.2022.788729

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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