研究実績の概要 |
最終年度は、MRコンテンツのサンプルを屋外展示環境において実装する段階であり、センシングやワイヤレス環境の整備実験等、屋外情報空間の整備とデバイスの設定、屋外使用の実験フィールドをポイントを絞り整備することを行うこととした。しかし、新型コロナ禍の状況下で、屋外におけるワイヤレス環境構築を縮小せざるを得なくなり、ローカルデータを元にMRコンテンツ視聴の環境を構築した。これまでの体験会や評価発表会で屋内の使用実績はあるため、その知見を利用しサンプルモデルの開発を昨年から引き続き継続した。 開発サンプルのMRコンテンツは上記の理由により,屋内施設内で体験できる環境を整え,実証実験を行うこととした。大学と企業連合からな開発者らを中心として,佐賀市の観光資源「三重津海軍所跡」をPRするMRコンテンツ開発を行った。視聴デバイスはMicrosoft社「HoloLens1,2」を用い,実験的に創設した体験ブースによりMRコンテンツを体験できる環境を整えた。 本研究のもう一つの成果として、大学と地域の関連企業で新たな開発方法や社会への適用化を目的に共同研究を進めることとした「次世代コンテンツ開発共同企業体」の設立であった。大学施設内に研究開発室を備え地元企業や行政がVRやMR,今後開発される新しい技術を活用したクリエイティブなコンテンツを開発できる体制を整えることができた。こ 本研究は屋外遺産遺跡の空間情報として足らない部分をMRを用い、鑑賞者の意識もしくはその感覚を仮想の空間に没入させることによって,疑似体験を提供できた。今後は、そのリアリティーを高めるために,鑑賞者の感覚と仮想空間の連関を深め精度を高めることが重要となる。時間や空間を超え,あたかもそこにいるかのような経験をもたらすことができれば体験施設へのリピート率も高くなり,更に学習の深化や動機付けになるだろう。
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