研究課題/領域番号 |
19K03047
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中谷 淳 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10413775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 宇宙教育 / 人工衛星 / ものづくり / 学生 / キューブサット |
研究実績の概要 |
2019年度は10cm×10cm×20cm、即ち2Uサイズのキューブサット教材を試作し、高専生を対象とした高専スペースキャンプにおける教材として活用した。本教材は実際のキューブサットとほぼ同様のバスを有する教材として岐阜高専学生と共同で設計した。バス系のうちコマンド・データ処理系、及び電源系については高知高専の協力者に依頼して開発することができた。加えて、2Uサイズとしたことでミッション機器を搭載するための十分な空間を確保することができ、使用者が提案したミッションに応じて電子部品の実装に対する自由度が向上するように工夫した。 本教材は、2019年8月29~9月1日に愛媛県新居浜市で開催された高専スペースキャンプにおけるグループ学習の教材として活用し、製作講座を経て、電源系競技、姿勢・通信・ミッション競技を実施した。グループ学習に参加した学生は31名、1グループの人数は5~6名の計6グループであった。参加した学生グループ全てが教材の組み立てを完了し、競技に臨むことができた。アンケート結果から製作講座に対して興味を示した学生が81%、電源系競技に対して興味を示した学生が58%、ミッション競技に興味を示した学生が81%となり、本研究で開発した教材が学生によって有用であることが示された。一方、講座のレベルに対しては81%の学生が難しい、やや難しいと回答しており、講座内容に対して改善が必要であることも明らかとなった。 本研究による成果は、工学教育、vol.68、No.2に2編掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度に計画していた教材開発、及び学生への活用、そして論文等への成果報告が順調に実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に関しては、現在、高専連携で開発している2UサイズのキューブサットKOSEN-1の開発ノウハウを生かして、より実際の衛星に近い教材に改善する。特に、構体系を中心に改善するとともに、教育コンテンツを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大に伴う出張取り止め、及び学生の学校への登校禁止措置に伴い旅費、及び研究協力者の学生に対する謝金の支出が行われなかったため次年度使用額が生じた。 新型コロナウィルスの感染拡大防止措置に伴い次年度の打ち合わせ等の計画は未定であるため、昨年度開発した教材の改善のために必要な物品費に充てる予定である。加えて、次年度も引き続き学生協力者に研究補助を依頼する計画であり、学生の研究補助に対して支出する予定である。
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